2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on solid earth physics in the sub-millihertz band using a long-baseline laser strainmeter network
Project/Area Number |
17H06207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 教授 (30272503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高森 昭光 東京大学, 地震研究所, 助教 (00372425)
小林 昭夫 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 室長 (20354532)
森井 亙 京都大学, 防災研究所, 助教 (30221633)
伊藤 武男 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40377982)
大久保 慎人 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (50462940)
勝間田 明男 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 室長 (80414514)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 歪計 / レーザー / 干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は東海・中部地域の3つの観測サイト(神岡、犬山、船明)に独立に建設されている長基線レーザー伸縮計を最新技術の導入により検出分解能や長期安定性などの性能向上を図り、世界最高性能の歪観測網として統合して運用し、ミリヘルツを超える低周波(サブミリヘルツ帯:<~10^(-3)Hz)の地動を高い分解能((1~100)ピコストレイン:10^(-12)~10^(-10))で観測する手法を確立させる。この時間スケール・分解能の新たな観測領域において、既知の現象の観測の精緻化を行うだけでなく、理論上予測された未検出の現象を抽出し、サブミリヘルツ帯における固体地球物理現象の探究・物理過程の解明を行う。
本研究の計画は、レーザー伸縮計の観測網の構築、それを用いた連続観測、データ解析の3つの段階より構成される。神岡KAGRAサイトの1500mレーザー伸縮計が性能面・運用面で優れており、H29年度に犬山と船明のレーザー光源を更新し神岡と同等の性能を持つ観測システムを立ち上げた。
H30年度は当初計画に沿って、観測網としての運用を開始した。神岡のレーザー伸縮計(100m、1500m)とともに犬山(30m)および船明(400m)の運用を統一的に行うため、レーザー制御やデータ取得の仕様を揃え、リモートからネットワーク経由で装置の動作状態をモニターできるようにした。また、各観測点のデータについて初期解析の波形を表示できるシステムを構築した。データの初期解析については、神岡の1500mレーザー伸縮計について、観測されたひずみ記録と周辺のGNSS観測網の変位記録を比較し、1年程度の長期的な変化について整合していることを確認した。地震時のひずみステップについては、複数のレーザー伸縮計での同時観測記録(2018年6月18日に起こった大阪北部地震など)が得られ、地震観測から求められた震源モデルとの比較など解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画ではH30年度は観測網としての運用を開始することになっており、神岡・犬山・船明の各観測点において同等の性能が得られるように整備を行った後、連続観測を開始した。また、長期変動や共通イベントなどの初期解析を実施し、当初計画通り研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度は本研究の最終段階として、前年度までに取得されたデータを既存の観測網のデータとともに統合的に解析し、さまざまな時空間スケールの現象の抽出を試みる。データの配信についても継続して進める。
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Research Products
(1 results)