2019 Fiscal Year Annual Research Report
全光学的手法による非接触・非侵襲な生体機能の電場制御技術の開発
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17H06228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣理 英基 京都大学, 化学研究所, 准教授 (00512469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 怜子 京都大学, 工学研究科, 助教 (80723197)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 高強度テラヘルツ / 非線形分光 / ライブセルイメージング / 蛍光プローブ / 分化誘導 / 細胞機能制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではテラヘルツパルスの高強度化を追求するとともに、物性科学における分光計測の枠を超えて生物・化学分野への応用展開と、物質に対して能動的に効果を発揮する光技術を開発することを目的としている。本年度は実際に、THzが未分化状態を保っている発生初期段階に近いhiPSCsに対して与える影響とその作用機構を明らかにした。開発したTHz照射装置を用いて、hiPSCsにTHzを照射したところ、細胞形状の違いや細胞死に関して、特に大きな違いは確認できなかった。一方で、更に詳細な変化を解析するために、細胞からRNAを回収して、RNA-seqを利用して細胞中に発現している全RNAを測定した。その結果、hiPSCsの多能性や分化に関連している遺伝子に関してはTHz照射の有無における違いは確認できなかったが、アミノ酸合成回路やトランスポーター遺伝子などの発現に有意に差があることが確認できた。Gene ontological (GO) 解析で発現の減少が確認された遺伝子として、Ca2+輸送に関わるORAI2が見出された。ORAI2は高等生物種間で高度に保存されており、発現の抑制や機能の低下によってT細胞へのCa2+流入が変化することが知られている。これは、分化後のT細胞を含む免疫機能が高強度電磁場の影響を受けやすい可能性を示唆している。今後これらの遺伝子の詳細な検討を行う予定である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)