2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of highly safe gene therapy without usage of double stranded DNA
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17H06269
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
茶山 一彰 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (00211376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 大樹 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 講師 (10584592)
茶山 弘美 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 准教授 (70572329)
林 亮平 広島大学, 病院(医), 病院助教 (80772053)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | cas9 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子治療のターゲットは遺伝性疾患、癌、ウイルス感染症など多岐にわたる。遺伝性疾患の多くを占める劣性遺伝の形式を取るものでは1遺伝子の改変(正常化)により細胞としての機能を回復するものが多く存在する。これらの疾患に対しては、対症療法的な治療は行われているものの、患者は一生治療を継続しなければならず、SOLの低下は甚だしく、副作用による問題に苦しむ症例もある。また、一生の治療となることから、医療経済的負担も問題となる。遺伝子治療は望ましい治療ではあるが、これまで遺伝子の改変が容易に行える手法が無かったことから、その実施は困難であると見なされてきた。一方、癌では遺伝子の変化は多彩であるが、重要な標的遺伝子の一つを変化させることにより、癌の増殖性を大きく変化させることができる。さらにウイルス感染症では変異が起きにくい部位を標的にすることで高い抗ウイルス効果を得られる可能性がある。このように、安全な遺伝子治療の方法を開発すればその応用分野は極めて広い。 本研究では遺伝子治療における安全性を重視し、2本鎖DNAを体内に供給することなくヒト遺伝子の点突然変異を改変する方法を開発し、さらにそれを癌、ウイルス感染症に応用する方法を開発する。 遺伝子治療の重要な要素は導入する核酸とdeliveryの方法の2つである。導入する核酸をcas9 mRNA, guide RNA, oligo DNAとしてoligo DNA mediated homologous recombinationによる遺伝子修復のシステムを構築し、2本鎖DNAを用いないことを考案し実験を実施することとした。 まずcas9をレンチウイルスによりヒト初代培養肝細胞に導入し、PITCh法による遺伝子のknock inが可能かどうかを検討した。cas9, guide RNA, donor DNAのall in oneのレンチウイルスシステムではウイルス粒子の形成が極めて不良であり、また大量調整してもウイルスの感染性が極度に低下することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
All in oneの導入効率が低くてうまくいかないことがわかったため、それぞれのエレメントを別々に導入することとした。cas9を発現するレンチウイルスをAddgeneから購入し、我々が作製したguide RNAと共に肝癌細胞株に導入し、標的遺伝子の切断が起きるかどうかを確認した。 ヒト肝細胞でのcas9の発現に関しては、上記のレンチウイルスをヒト初代培養肝細胞に導入し、cas9の発現をwestern blotにより確認した。この細胞をuPA-scid mouseに導入し、8週間後にsacrificeし、再度ヒト初代培養肝細胞を作製した。この細胞においてもやはりcas9の発現をwestern blotにより確認することが出来た。そこで、cas9の発現した細胞のみを選択するように、puromycinによるselectionを行った。Selection後に生存した細胞を回収し、高密度で再度培養し、uPA-scid mouseに再移植した。現在その生着状態を観察している。 plasmidの作製、cas9による標的遺伝子の切断、細胞へのcas9の導入は順調に進んでいる。オルガノイドの培養がうまくいっていないので、現在改良を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
cas9を導入し、ヒト肝細胞キメラマウスの肝細胞がすべて置換されたものが作製できたかどうかをまず確認する。これまでの研究でcas9をhuman primary hepatocyteに導入することには成功し、その発現状態をWestern B1otで確認することが出来た。今後はこのマウスにguide RNAを導入すること、single strand DNAを導入することを試み、モデルの感性を目指して行く。このためにOCT遺伝子に挿入された配列をターゲットとするlentivirus vector (cas9、guide RNA発現カセットを有する)を構築する。このlentivirus vector、あるいはguide RNA, ssDNAを293T細胞にtransfectionし切断活性、導入効果を検討する。本研究の最終目標である、ssDNAを使用しない遺伝子治療の構築のために必要な要素についてそれぞれ検討を加えていく。肝細胞以外の癌に関してもこの系を導入して治療することが可能かどうかを検討する目的で、林研究員は現在マウス由来のオルガノイドの培養を行っており、ヒトオルガノイドの培養経験も有する。近日中に行われるクローン病の症例の切除小腸からオルガノイドを作製し、拡大培養を行う。肝細胞系と同様のウイルス感染、あるいはelectroporationによりオルガノイドにcas9 mRNA、guide RNAが発現することを確認する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] HCV-Induced Epigenetic Changes Associated With Liver Cancer Risk Persist After Sustained Virologic Response.2019
Author(s)
Hamdane N, Juhling F, Crouchet E, El Saghire H, Thumann C, Oudot MA, Bandiera S, Saviano A, Ponsolles C, Roca Suarez AA, Li S, Fujiwara N, Ono A, Davidson I, Bardeesy N, Schmidl C, Bock C, Schuster C, Lupberger J, Habersetzer F, Doffoel M, Piardi T, Sommacale D, Imamura M, Chayama K. et al.
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Journal Title
Gastroenterology.
Volume: 156
Pages: 2313-2329.e7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Characterization of HBV integration patterns and timing in liver cancer and HBV-infected livers.2018
Author(s)
Furuta M, Tanaka H, Shiraishi Y, Unida T, Imamura M, Fujimoto A, Fujita M, Sasaki-Oku A, Maejima K, Nakano K, Kawakami Y, Arihiro K, Aikata H, Ueno M, Hayami S, Ariizumi SI, Yamamoto M, Gotoh K, Ohdan H, Yamaue H, Miyano S, Chayama K, Nakagawa H.
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Journal Title
Oncotarget.
Volume: 9
Pages: 25075-25088.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Genomic characterization of biliary tract cancers identifies driver genes and predisposing mutations.2018
Author(s)
Wardell CP, Fujita M, Yamada T, Simbolo M, Fassan M, Karlic R, Polak P, Kim J, Hatanaka Y, Maejima K, Lawlor RT, Nakanishi Y, Mitsuhashi T, Fujimoto A, Furuta M, Ruzzenente A, Conci S, Oosawa A, Sasaki-Oku A, Nakano K, Tanaka H, Yamamoto Y, Yamaue H, Chayama K, et al.
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Journal Title
J Hepatol.
Volume: 68
Pages: 959-969.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] miR-135a-5p-mediated downregulation of protein tyrosine phosphatase receptor delta is a candidate driver of HCV-associated hepatocarcinogenesis.2018
Author(s)
Van Renne N, Roca Suarez AA, Duong FHT, Gondeau C, Calabrese D, Fontaine N, Ababsa A, Bandiera S, Croonenborghs T, Pochet N, De Blasi V, Pessaux P, Piardi T, Sommacale D, Ono A, Chayama K, Fujita M, Nakagawa H, Hoshida Y, Zeisel MB, Heim MH, Baumert TF, Lupberger J.
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Journal Title
Gut.
Volume: 67
Pages: 953-962.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Malignant potential of early-stage serrated adenocarcinoma based on genetic analysis2018
Author(s)
Urabe Y, Tanaka S, Hirano D, Nakamura K, Ninomiya Y, Yuge R, Hayashi R, Oka S, Kitadai Y, Shimamoto F, Arihiro K, Chayama K
Organizer
26th United European Gastroenterology Week (UEGW) 2018
Int'l Joint Research
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