2018 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of preclinical AD used DNA methylation analyses
Project/Area Number |
17H06286
|
Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
島田 裕之 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 部長 (00370974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 健次 中京大学, 体育学研究科, 実験実習助手 (70736058)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | プレクリニカルAD / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病(AD)の原因であるアミロイドβペプチド(Aβ)の脳内蓄積は、発症の20年前から始まり、それらプレクリニカルAD を同定して効果的な介入へ結びつけていくことが、認知症の予防に有効であると考えられる。近年、AD発症に対し遺伝的素因に加えて環境要因の影響を反映したエピジェネティックな変化が関与する可能性を示唆した報告がなされており、これがプレクリニカルADのスクリーニングに有用である可能性がある。 本研究では、アミロイド・イメージング(PET検査)によってプレクリニカルADを特定し、ゲノムワイドなDNAメチル化解析からアミロイド陰性と陽性の間でDNAメチル化の差異を分析する。これにより、プレクリニカルADのスクリーニング指標の発見を目指す。 現在までの研究実績として、地域在住高齢者のコホートデータベースから本研究の基準に該当する者を選定し、対象者のリクルートを行った。研究参加の同意が得られた85名に対してNCGG-FATを用いた包括的認知機能検査およびアミロイドPET検査を実施済みである。認知機能検査の結果、認知的に健常であった者(年代平均スコアから1.0標準偏差以上の低下なし)が64.7%、軽度の認知機能低下があった者(年代平均スコアから1.0~1.5標準偏差の低下あり)が18.8%、中等度の認知機能低下があった者(年代平均スコアから1.5標準偏差以上の低下あり)が16.5%であった。DNAメチル化解析についても専門業者へ委託し実施済みであり、現在データベース構築中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況として、対象者リクルートおよび認知機能検査、アミロイドPET検査、採血およびDNAメチル化解析が既に完了している。血液検査のスケジュールに一部変更が生じたものの、DNAメチル化を含む解析内容の拡充を図ることができていることに加え、アミロイドPET検査についても順調に進んでおり、おおむね順調な進展が可能であったと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、ゲノムワイドな解析データを用いて、アミロイド蓄積や認知機能低下と関連するDNAメチル化を明らかにしていく。これにより、プレクリニカルADをスクリーニングするためのバイオマーカーを明らかにし、その予測妥当性を検証する。プレクリニカルAD特定の候補DNAが明らかとなれば、現在進めているアルツハイマー病薬の治験推進のためのプレクリニカルADの登録システムに適用可能であり、治療薬開発の進展補助が期待できる。また、介入前後でメチル化の変化を捉えることで、鋭敏な効果指標を創出できる可能性がある。
|