2017 Fiscal Year Annual Research Report
Impacts of prenatal environmental chemical substance exposure on sexual differentiation and its modification by genetic polymorphism
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17H06490
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今 雅史 北海道大学, 大学病院, 医員 (40802799)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 性分化 / 性腺機能 / 胎児期 / 環境化学物質 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境省「子供の健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加している対象者のうち、約 1600 組の母児から同意を得て、出生時調査として臍帯血および母体血・母体尿の採取、胎児期の性ホルモンに影響を受けるとされる出生時の肛門性器間距離(anogenital distance; AGD)、第2指・第4指の長さの比(2D/4D)、男児の陰茎長・精巣容積の測定を行った。さらに追跡調査として3 歳時における児の尿の採取、2D/4Dおよび性役割行動調査(Japanese-Pre School Activities Inventory:J-PSAI)を行い、現時点で986組より回収が可能であり、回収率は65.6%であった さらに、追加調査の出生時調査のデータが揃いおよび3歳時調査の回収が可能であった対象者の妊娠初期の環境化学物質曝露測定を目的に、妊娠初期母体尿の化学物質(フタル酸エステル類10化合物:MEHP/MEHHP/MEOHP/MiBP/MECPP/MBzP/MiNP/cx-MiNP/OH-MiNP、ビスフェノール類3化合物:BPA/BPF/BPS)の測定を232検体で行った。以前に測定した282検体と合わせて、計514検体の測定が終了した。 現在、3 歳時調査における、2D/4Dおよび性役割行動調査(J-PSAI)において、男児と女児の結果に有意差を確認し、さらに環境化学物質の母体暴露により結果が影響を受けるか否かについて解析を進めている。 さらに、環境化学物質による性分化への影響を修飾する可能性のある性ホルモン受容体遺伝子や異物ステロイド代謝酵素遺伝子の遺伝子多型の解析するため、その対象遺伝子およびその検索範囲について検討を行なっている。全てを網羅するExome解析を行うには検体数が多く、さらに先行研究にてイントロン領域の一塩基多型(SNP)も結果に影響を及ぼす可能性が示唆されたため、対象遺伝子および遺伝子検索範囲について検討を進めている。そのための先行研究として、エストロゲンレセプター1(ESR1)遺伝子における既報SNPの一部について、多型の有無を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3 歳時での2D/4Dおよび:J-PSAIの回収および、母体尿からの環境化学物質の測定は施行できたが、遺伝子多型の網羅的解析の進行が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、胎児期の環境化学物質曝露による性分化への影響とそれを修飾する可能性のある遺伝子多型の解析を行う予定である。遺伝子多型の解析を行うサンプル収集は、先に施行されている北海道でのエコチル追加調査において出生時の身体測定および母体血・母体尿がすべて揃っている 973 組の中から、臍帯血が保存されている 434 名の臍帯血としており、既に終了している。 エコチル追加調査の対象者において①環境化学物質曝露が胎児期のホルモン環境に与える影響、②胎児期の環境化学物質曝露がホルモン環境および身体的変化や脳の性分化(J-PSAI)に与える影響について検討を継続する。 また、遺伝子多型による影響を検討するために、臍帯血より抽出したDNAより、環境化学物質が性ホルモンや性分化に与える影響を修飾すると考えられる遺伝子多型の解析を行う。 得られた結果を基にして、関連遺伝子解析により本研究における各遺伝子多型の多型アレル頻度を解析する。さらに本研究で得られた多型のアレル頻度と、公開されている 1000 genome project での既知多型でのアレル頻度との比較や、in silico 解析により多型による遺伝子のアミノ酸配列変化の影響を予測する。母体の環境化学物質と臍帯血中のホルモン環境や児の身体および脳の性分化の関連に関する結果と遺伝子多型の結果を比較検討することによって、多型毎のリスク予想解析を行う。
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Research Products
(7 results)