2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H06500
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 美穂 弘前大学, 教育学部, 准教授 (10803223)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 地方高卒就職者 / 県外就職 / キャリア支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域移動を伴うキャリア形成をせざるを得ない地方高卒就職者の状況と、彼らを対象とするキャリア教育・キャリア支援の現状と課題について、インタビュー調査を通して実証的に明らかにしようとするものである。若年雇用をめぐる地域間格差は大きく、有効求人倍率も、都道府県によって大きな差がある。こうした中で地方高卒就職者の一部は、県外に就職の場を求め、移動を伴うキャリア形成を余儀なくされている。こうした若者たちが抱えている困難はどのようなものなのか、高校のキャリア教育・進路指導や、公的に拡充されてきた若者支援機関がどのように対応しているのか、今後どのような支援が必要かを明らかにすることの意義は大きいものと考える。 本研究では、調査対象地域を、高卒就職者の有効求人倍率、県外就職率などから、沖縄県および青森県に設定し、次の者を対象としてインタビュー調査を行っていく。(1) 高卒就職者 卒業後概ね5年以内の者。県外就職の経験を持つ者(現時点での県外在住者含む)を中心とするが、選択のプロセスや背景要因を比較しながら分析するため、一部に県内にとどまった者も対象とする。(2) 就職指導・キャリア教育担当の教員 沖縄県および青森県の高卒就職者の比率が高い複数の高校の担当教員を対象とする。(3) 若者支援機関のスタッフ ジョブカフェや地域若者サポートステーションなどの若者支援機関で、若者の就労支援に携わっている者を対象とする。 本年度は、上記のインタビュー調査を進め、若者たちの抱える困難やニーズ、高校や若者支援機関の現状と課題について検討した。なお、この過程で、沖縄県と青森県においては、県外就職に対する行政の姿勢に違いがあることがわかり、補足的な情報収集についても併せて進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付決定からの半年間で、予定された調査のうち、(1)高卒就職者については、沖縄県出身者6名(県外就職経験4名、うち2名は県外在住)、青森県出身者5名(県外就職経験4名、うち2名は県外在住)、(2)高校教員については、沖縄県3校6名、青森県1校2名、(3)若者支援機関については沖縄県2団体3名の調査を実施することができ、ほぼ想定通り進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、青森県の高校、若者支援機関の調査を行う。また、可能であれば、調査過程で明らかになってきた行政の県外就職への対応についても、ヒアリングを行いたいと考える。 その上で、すべてのインタビューデータを分析し、若者の地域移動を伴うキャリア形成に向けた支援について考察し、学会発表および論文によって研究成果を公表する予定である。
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