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2017 Fiscal Year Annual Research Report

マメ科植物のEPR3受容体は、病原菌の細胞外分泌多糖も認識するのか?

Research Project

Project/Area Number 17H06503
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

川原田 泰之  岩手大学, 農学部, 助教 (80786129)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywordsマメ科植物 / 根粒菌 / 病原菌 / 相互作用
Outline of Annual Research Achievements

マメ科植物と根粒菌の共生窒素固定は、宿主植物と根粒菌との複雑な相互作用によって成り立っている。この過程で、マメ科植物のEPR3受容体は、根粒菌が分泌する細胞外分泌多糖を受容・認識し、根粒菌との共生相互作用を正と負の双方に制御していることが明らかとなっている。
土壌などで生育するマメ科植物は、根粒菌との共生相互作用以外にも様々な土壌細菌と異なる相互作用を行っている。このような様々な相互作用を同時期に行う複合的な相互作用の中で、マメ科植物は、どのように共生相互作用の相手である根粒菌を受入れ、そして病原菌などの不必要な細菌を排除しているのだろうか?
この疑問を解決するため本研究では、マメ科植物のEPR3 受容体が根粒菌の細胞外分泌多糖と同様に、病原菌などの細胞外分泌多糖も認識し、共生過程、及び免疫過程を制御することで、双方の相互作用を制御することで根粒菌や病原菌の受入と排除を同時に行っているのではないかと仮説立てた。そして、この仮説を証明するために今年度は、マメ科のモデル植物であるミヤコグサ(Lotus japonicus)に対する病原菌であるRalstonia sp. B5-1 株の細胞外分泌多糖欠損変異株の単離を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究目的を達成するため、Ralstonia sp. B5-1 株の細胞外分泌多糖欠損変異株の単離を行った。まず、Ralstonia sp. B5-1 株が細胞外分泌多糖を恒常的に生産し、欠損変異株の選抜に適した条件を検討した。その結果、TY(Tryptophan Yeast)培地を用いて欠損変異株の選抜を行うこととした。次に、テトラサイクリン薬剤耐性が付与されたプラスポゾン(Jonathan and Gerber.: Applied and Environmental Microbiology 2710- (1998))を三親接合法によりRalstonia sp. B5-1株にランダムに挿入した。そして、得られた変異株集団から、 細胞外分泌多糖が欠損した変異株のスクリーニングを実施した。現在、956株の変異株について、細胞外分泌多糖能力を個別にスクリーニングし、4株の細胞外分泌多糖合成変異株を単離した。このうち2株は、野生株に比べてTY培地上で細胞外分泌多糖量が減少していることが確認され、他の2株は、細胞外分泌多糖合成能が欠損している変異株であることが確認された。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、病原菌Ralstonia sp. B5-1 株の細胞外分泌多糖欠損変異株の単離に焦点を当てて研究を進め、4株の細胞外分泌多糖合成変異株を得ることができた。そこで次年度は、これらの変異株と宿主植物との相互作用に焦点を当てた研究を実施する。まず、Ralstonia sp. B5-1細胞外分泌多糖変異株と宿主植物Lotus japonicusの野生体及び、epr3変異体との相互作用における表現型の解析を実施する。病長応答の指標として、根毛の変形頻度や活性酸素種の発生の量の測定、そして、矮性頻度の観察を行う。次に、EPR3と細胞外分泌多糖を介した共生性と病原性からなる複合的な相互作用の表現型解析を行うため、根粒菌と病原菌の両感染時における表現型の観察を行い、共生性表現型や病原性表現型の双方の表現型解析から、本研究の目的であるEPR3受容体の関与を明らかにする。また、これらの観察データを補完するため、共生性や病原性特異的に発現誘導される遺伝子の発現解析をRT-qPCRを用いて行う。
これらの表現型解析と発現解析を総合して、EPR3受容体が、根粒菌及び、病原菌の細胞外分泌多糖を認識し、共生性のみだけではなく、病原性シグナルについても制御しているかを明らかにしていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 根粒菌の変異株によって誘導される根粒形成抑制表現型に関わる遺伝学的制御2018

    • Author(s)
      川原田 泰之
    • Organizer
      第59回日本植物生理学会年会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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