2017 Fiscal Year Annual Research Report
家事事件手続を踏まえた執行手続のあり方に関する研究
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17H06508
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今津 綾子 東北大学, 法学研究科, 准教授 (80708206)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 家事事件手続 / 執行手続 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の1年目にあたる平成29年度は、当初の計画に従い、家事事件手続及び執行手続の全体像の把握に努めた。具体的には、計画の最終段階である論文執筆に向け、その基礎となる資料の収集を進め、また論文の構想に着手した。 家事事件手続については、平成25年に手続の基本となる法律の大幅な変更があったが(家事審判法の廃止、家事事件手続法の制定)、本研究においては主として新たな法律にもとづく制度を検討の対象としていることから、資料の収集に際しても比較的最近著された論文や書籍を中心とすることを心がけた。 また、執行手続については、本研究の主眼とするのは家事事件手続との連続性であるが、その前提として通常の民事事件を扱う場合の一般的な処理がどのようになされているかを整理する必要があるため、広く民事執行手続に関する資料を収集した。 なお、当初の研究の目的としては、内国において生起した家事事件が内国の執行手続において処理される場合を念頭に置いていたが、国際交流の発展に伴い、渉外性のある家事事件も増加しているところであり、そのような事件を検討対象とすることを新たに計画している。それに関連して、家事事件における外国裁判の我が国における執行につき、外国判決と同様に執行判決制度を採用する旨の法案が今秋にも成立する見込みであることから、それに関する情報収集も適宜おこなっている。 文献以外のものとして、民事訴訟法学会及びその支部研究会等に出席し、他研究機関に所属する研究者や在野の実務家とも積極的に情報交換をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、開始初年度(平成29年8月から翌30年3月まで)については研究の基礎部分を固めるべく、各種の資料収集をおこなうこととしていた。 これまでのところ、計画に沿った形で進行することができており、特段の支障は生じていない。 また、本研究は2か年計画であり、平成30年度中に研究論文を執筆することを予定しているところ、その公表方法について計画段階では具体的なものを示すことができなかった。その後、現在までに学術誌への掲載及び研究会での報告の機会を得られる目途がついており、その意味でも本研究はおおむね順調に進捗しているものと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前年度に収集した資料の検討、分析を進めたうえで、本研究の目的である家事事件手続を踏まえた執行手続のありかたに関する現状把握および自己の見解をまとめて論文の形にする作業が中心となる。 最終的には、論文を執筆し、学術誌ないし所属研究機関の紀要に掲載するとともに、関西地区で定期開催されている民事訴訟法研究会において報告することをもって、研究成果を広く公表することを予定している。
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