2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of Ca2+ within the mitochondria for arrhythmia in PAH
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17H06525
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 遥 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803883)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 多細胞心室筋 / 細胞内カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
肺高血圧症は予後不良の難治性疾患として知られ、肺高血圧症の右室心筋は異常な心筋収縮を呈し、頻脈性不整脈や突然死をきたしうる。一方、カルシウム・ユニポーターを介したミトコンドリアへのカルシウム流入の抑制は、不整脈の発生を抑制することが報告されている。本研究では、肺高血圧動物モデルにおけるミトコンドリアへのカルシウム流入が、右室肥大を呈した傷害心筋における不整脈の発生に関与するのか検討した。 モノクロタリン投与により作成した肺高血圧症ラットはモノクロタリン投与後4週で25%が死亡した。肺高血圧により肥大した右室心筋から、多細胞心室筋であるトラベクラを摘出し、発生張力・細胞内カルシウム変化および不整脈の発生について測定した。肺高血圧症ラットでは細胞内カルシウム濃度が上昇しカルシウムの伝播も速く大きくなっていた。Ru360を用いてミトコンドリアへのカルシウム流入を抑制すると、肥大が進行した右室の多細胞心室筋では、細胞内カルシウムの伝播速度が低下し、不整脈の発生が抑制されることを確認した(以上について、2018年11月米国心臓病学会、2019年3月日本循環器学会にて報告)。 これら点は、肺高血圧症患者の不整脈の発生機序の解明につながる可能性があり、難治性疾患である肺高血圧症患者の予後を改善する可能性もある。さらに今後、ミトコンドリア内膜に存在するカルシウム・ユニポーターの抑制による不整脈治療という全く新しい発想からの治療法や創薬に繋がる可能性もある。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)