2018 Fiscal Year Annual Research Report
The dynamism of the Jesuit humanistic tradition in 20th century - in terms of B.Lonergan's ethical and educational thoughts-
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17H06542
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島村 絵里子 筑波大学, 人文社会系, 研究員 (70802198)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | イエズス会 / 人文主義教育 / キリスト教 / 倫理思想 / 歴史哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、20世紀の代表的なイエズス会神学者、哲学者の一人であるバーナー・ロナガンの思想の中でも、特に倫理思想・教育思想の発展可能性に注目してきた。最終年度では、1)「倫理における方法」、2)「歴史」と「世界」観、3)北米でのイエズス会教育の動向を軸に据え、ロナガンに見られるイエズス会の人文主義思想の特徴を描き出すことを目指した。 1) 前年度の研究課題②で扱った、「倫理的であることを明確にする三つの問い」の内、第三番目の「倫理的であることによって何がもたらされるのか」という問いに取り組んだ。先行研究を参照しつつ、特にロナガンがMethod in Theologyにおいて展開した「神学における方法」の「倫理における方法」への応用可能性に特化した形で検証した。 2)イエズス会ならでは成しえた正義の促進に重点をおいた人文主義の展開の独自性の一端を、いかにロナガンの「歴史」と「世界」観の内に見出すことができるかという問いに取り組んだ。ロナガンが、どのような思想的遍歴を経て、「本性」を重視した従来のアリストテレス及びトマス・アクイナス的パラダイムを継承しつつも、近代以降の「歴史」理解と、「自然科学」的方法論とを統合することを試みたかを考察した。そこで、ロナガンが倫理的な「識別」のプロセスにおいて、人間の「本性」的あり方のみならず「世界」の「進化」のプロセスを見据えている点を浮き彫りにした。 3)ロナガンの倫理思想が21世紀のイエズス会教育へ与えうる影響について、「社会正義」という観点から検証した。本研究では、特に北米のイエズス会が展開している中等教育の中でも、特に最新の動向として注目されているChrist Rey Schoolsに焦点をあて、そこで展開されている「社会正義」の実践を、ロナガンが展開した「人間的善」の構造理解を手掛かりに分析する試みをした。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)