2017 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of flexibility-variable metal complex nanowires and nanosheets
Project/Area Number |
17H06545
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松岡 亮太 筑波大学, 数理物質系, 助教 (80806521)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ナノシート / らせん |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,本研究の基盤である三重らせんナノワイヤ・ナノシートのモデル化合物となる単核錯体について,大きな進展が得られた。 ピボット部位にテトラフェニルメタン骨格を持つ三脚型配位子が,鉄(II)と定量的にらせん錯体を形成することを明らかにした。らせん錯体の構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。ピボットの4つ目の置換基であるフェニル基は分子の外側を向いており,らせんと反対側への構造拡張が可能であることがわかった。これは申請者の設計通り,三又の三重鎖モノマーが合成可能であることを示唆している。 また,このらせん単核錯体を各種ジアミンと反応させたところ,ジアミンの種類によってビシクロ型二量体と正四面体型四量体を選択的に作り分けられることがわかった。ビシクロ型二量体と正四面体型四量体はプロトンNMRにおいてほぼ同一のスペクトルを示したが,ESI-TOF-MSでそれぞれ二量体,四量体のみが選択的に得られたことが示された。またDOSY測定においても,二つの生成物は異なる拡散係数を示したことから,ビシクロ型構造,正四面体型構造の形成が示唆された。今回得られたビシクロ型二量体は本研究が目指すナノワイヤ・ナノシートの基本ユニットそのものであり,今後の研究遂行に有用な指針を与える成果と言える。 ナノワイヤ・ナノシートの合成に向け,構成要素となるモノマーの合成にも取り掛かった。最終目的物の2ステップ手前まで問題なく反応が進行することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでの研究によって,設計した分子が問題なくナノワイヤ・ナノシート構造を形成できることを明らかにし,実際の構成要素モノマーの合成も順調に推移している。次年度には実際にナノワイヤ・ナノシートの合成に移行し,各種分析を行える見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
前項に挙げた通り、ナノシート・ナノワイヤに関して順調に研究が進展している。今後は構成要素となるモノマーの合成をさらに推し進め,らせんを骨格に組み込んだナノワイヤ・ナノシートの構築に取り組む。研究成果がまとまり次第,特許出願および論文発表を行う予定である。
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Research Products
(2 results)