2018 Fiscal Year Annual Research Report
Boy Actors and Effects of Performance on the Early Modern English Stage
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17H06584
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 明日香 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (70807130)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 女性表象 / パフォーマンス・劇場の物質性 / 初期近代イギリス演劇 / 少年俳優 / ジェンダー・セクシュアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は学術論文(査読付)2本(査読無)1本、学会発表要旨1本を発表した。本研究と特に関わりの深い「『モルフィ公爵夫人』における少年俳優の舞台上の効果」(関東英文学研究11号)は平成29年度に行った第56回シェイクスピア学会での発表原稿を発展させたものである。同悲劇の女性主人公を演じたと思われる少年俳優に焦点を当て、その思春期の身体と他の俳優との関係性が女性主人公の表象にどのような影響を与えたかを論じた。「『アントニオの復讐』と『ハムレット』における夫の亡霊と寡婦の記憶」(Shakespeare Journal 5号)ではマーストンとシェイクスピアの悲劇を宗教改革以降の死者の弔いと亡霊をめぐる言説と、中世・初期近代のテクストにおける夫の亡霊と寡婦の表象との関わりから論じた。「『英雄の証明』における『コリオレイナス』解釈の新たな可能性」(英語圏文化研究UTokyo12号)は査読無の論文だが、2011年公開の映画『英雄の証明』(原題Coriolanus)がカメラワークを通じてシェイクスピア劇では描かれないコリオレイナスの心理に焦点を当てることで、同戯曲の新しい魅力を発見していることを指摘した。学会発表要旨は平成29年度に行った日本英文学会関東支部第15回秋季大会での発表原稿に関するものである。
今年度は夏季休暇を利用した渡英も実現し、大英図書館ならびに国立公文書館で調査を行った。取り組んだ課題の一つは、国王一座の少年俳優Richard Robinsonと17世紀初頭に人気を博した子供劇団の経営陣の一人James Robinsonに血縁関係があったのではないかというもので、James Robinsonの伝記的事項がわかりそうなアーカイヴを調査したが、残念ながら血縁関係を断定することはできなかった。今後も引き続き調査したい。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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