2017 Fiscal Year Annual Research Report
無容器浮遊法によるアモルファス酸化物磁性体の創製と磁気光学効果素子への応用
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17H06614
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中塚 祐子 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00804105)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 磁気光学 / ファラデー効果 / アモルファス酸化物 / マンガン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の情報化社会の発展に伴って需要が増大している、青色あるいは紫外の半導体レーザー用の光制御素子への応用が可能な磁気光学材料の創製を目指し、マンガンを含むアモルファス酸化物を対象に、磁気光学的性質、光学的性質の調査を行った。溶融急冷法によりマンガンホウ酸塩ガラスを作製した。また、無容器浮遊法によりマンガンアルミノホウ酸塩ガラスを作製した。最大で酸化マンガンを60 mol%含有する、オレンジ色透明なアモルファス酸化物が得られた。光吸収スペクトルの結果から、アモルファス酸化物中でほとんどのマンガンイオンは2価の状態で6配位サイトに存在していると分かった。磁気光学特性の調査のために、可視域でファラデー効果測定を行った。マンガン含有アモルファス酸化物の単位磁場、単位厚さあたりの回転角は、希土類含有アモルファス酸化物と比較すると1桁から2桁小さい値であった。2価のマンガンイオンのもつスピンのモーメントはS=5/2であり、希土類含有アモルファス酸化物と同程度の回転角を示すはずであった。これには、6配位サイトに存在する2価のマンガンイオンが禁制遷移しかもたないことが影響していると考えられる。透明で光損失の小さいアモルファス酸化物が得られる一方で、Van Vleck-Hebbの式で与えられる、ファラデー回転角に寄与する電子の遷移確率も同時に非常に小さくなり、回転角も小さくなると考えられる。磁気光学効果材料の設計においては、磁性だけでなく、光学遷移とその種類についても十分に考慮することが重要であることが明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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