2017 Fiscal Year Annual Research Report
ミクログリアを基軸とした新規うつ病発症機序の解明と食品成分による予防法の構築
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17H06619
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
板倉 正典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (70803162)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ミクログリア / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病の発症において、精神的・物理的・化学的ストレスによる活性酸素種の産生や脳内炎症の関与が示唆されているが、その詳細な発症メカニズムは明らかでない。申請者らは、ストレス負荷されたマウスの神経細胞内において、解糖系酵素グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素 (GAPDH) が核移行することで、うつ病の病態形成に関与することを明らかにしている。一方、脳内に集積したミクログリア(脳内炎症)のうつ病発症への関与が指摘されているが、その詳細は明らかでない。本研究ではミクログリア‐神経細胞相互作用に焦点を当て、細胞種間GAPDH輸送の重要性を検討することにより、うつ病発症機序を解明することを目的とした。 平成29年度はストレス負荷モデルマウスを作製し、ミクログリアにおけるGAPDH動態の経時的な変化を解析した。種類・負荷期間の異なるストレスモデルを作製しGAPDH抗体を用いた免疫組織染色を行った結果、うつ様行動を示さない軽度なストレス負荷によりマウス脳前頭前皮質および海馬においてミクログリア内のGAPDH量が増加することが明らかとなった。また単離ミクログリアを用いたウエスタンブロットによってもこの変化は確認された。さらに慢性的ストレス負荷によりミクログリア内GAPDH量の減少、および神経細胞内GAPDH量の増加が認められ、ストレス応答におけるGAPDH動態はミクログリア、神経細胞で異なることが明らかとなった。現在GAPDH動態がもたらす細胞機能変化を解析するべくin vitro実験系を構築中である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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