2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the role of Ca2+-dependent hyperpolarization pathway in the regulation of sleep homeostasis
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17H06623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
史 蕭逸 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40803656)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 睡眠恒常性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は睡眠時間制御に重要なカルシウム依存的な過分極経路の睡眠恒常性における役割を明らかにしようとするものである。本年度は、1.カルシウム依存的な過分極経路に属する遺伝子群のノックアウト(KO)マウスを作製し、脳波・筋電図を用いてその測定を行った。その結果、カルシウム依存的な過分極経路に属する遺伝子と、ノンレム睡眠およびレム睡眠制御との関係が明らかになった。更に、脳波の測定結果に対して、睡眠圧の指標であるデルタ波の解析を行ったところ、複数の変異体マウスで睡眠恒常性の変化が示唆された。 また並行して、非線形時系列解析アルゴリズムの開発を行った。既に終了している。今後、睡眠覚醒の時系列データへ適用する予定である。 最後に、本研究の主眼であるカルシウム依存的な過分極経路の睡眠恒常性における役割を検討するために、簡便な自動断眠実験システムの開発を行った。これまで実験者が手動で動物を起こし続けることで行われていた断眠実験を自動化し、ハイスループットかつ並列化可能な断眠手法を開発した。既に野生型マウスに対する断眠実験を終了しており、同手法の評価が終了している。加えて、各遺伝子改変マウスに対する断眠実験に関しても順調に進行している。 これらの結果に関しては、睡眠の国際的な学術大会である”World Sleep 2017"で口頭発表およびポスター発表を行い、Young Investigator Outstanding Poster Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、カルシウム依存的な過分極経路に属する遺伝子の変異体欠損マウス(KOマウス)の作製は順調に進んでいる。 また、同KOマウスに対する脳波・筋電図の測定も終了している。その結果、各々の遺伝子とノンレム睡眠・レム睡眠の関係を対応付けることに成功した。 自動断眠システムの開発および評価を終えている。複数個体のマウスに対して、複数の断眠条件で実験を行うことを可能にした。既に、2年目に予定していた変異体マウスの断眠実験を開始している。 一方で、非線形時系列解析アルゴリズムに関しては、その開発を終えているものの、野生型マウスおよび変異体マウスの睡眠覚醒データに対する適用が遅れている。 以上より、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、KOマウスの作製を行う。 断眠実験系の樹立を受けて、次年度は引き続き、変異体マウスの断眠実験を続け、睡眠恒常性の変化する変異体マウスを見出すことを目標とする。 一方で非線形時系列解析アルゴリズムに関しては、KOマウスおよび野生型マウスの睡眠覚醒の実データへの適用を急ぐ。具体的には、解析アルゴリズムの高速化を急ぐ。更に、高速化アルゴリズム完成後、所属研究室の大規模計算リソースを用いて期間内の解析終了を実現する。
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Research Products
(2 results)