2017 Fiscal Year Annual Research Report
長寿遺伝子SIRT1による腸管を介した糖代謝制御機構の解明
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17H06631
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 正樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90508095)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | SIRT1 / 腸管ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
長寿遺伝子SIRT1は、NAD+を基質として、標的タンパクのリジン残基脱アセチル化を促進することで、健康、長寿に関わる様々な生命現象に関与している。 SIRT1は、膵臓、肝臓、脂肪、骨格筋など多くの臓器を介して糖代謝に重要な役割をもつことが報告されているものの、腸を通じた糖代謝の制御については、まだ明らかにされていない。そして、各組織のSIRT1活性は、加齢とともに低下することが報告されている。このような背景のもと、本研究では、未だ明らかにされていない、SIRT1による分化腸内分泌細胞を通じた糖代謝制御機構を解明するとともに、その加齢による分化腸内分泌細胞の変化との関わりを明らかにしていく。 まず、長寿遺伝子SIRT1ノックアウトマウスの糖代謝への関わりを解明するために、腸管上皮SIRT1ノックアウトマウス(Villin cre floxed SIRT1)と腸管内分泌細胞特異的SIRT1ノックアウトマウス(Ngn3 cre floxed SIRT1)の作成を終えた。今後、これらのマウスに高脂肪食を負荷したときの代謝表現型を詳細に検討する。 また、SIRT1が腸菅内分泌細胞のホルモン分泌へ与える影響と、その背景となるメカニズムを解明するために、不死化腸管内分泌細胞株を利用して検討を行っている。SIRT1が腸管ホルモン分泌に関わることを示すことができた。今後、in vivoの実験としての腸管上皮特異的SIRT1ノックアウトマウス解析とin vitroの腸管内分泌細胞株での実験により、SIRT1による未知の腸管内分泌細胞分化制御機構を同定することができるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸管上皮SIRT1ノックアウトマウス(Villin cre floxed SIRT1)と腸管内分泌細胞特異的SIRT1ノックアウトマウス(Ngn3 cre floxed SIRT1)の作成に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
腸管上皮SIRT1ノックアウトマウス(Villin cre floxed SIRT1)と腸管内分泌細胞特異的SIRT1ノックアウトマウス(Ngn3 cre floxed SIRT1)に高脂肪食を負荷して、その表現型を解析する。また、不死化腸管内分泌細胞株においてSIRT1が腸管ホルモン分泌に関わることを示すことができたので、この系を利用して、SIRT1が腸管内分泌細胞分化に関わるメカニズムを解明する。
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