2017 Fiscal Year Annual Research Report
Fli1の発現異常を軸とした膠原病の病態におけるγδT細胞の機能解析
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17H06633
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三枝 良輔 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50800992)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 膠原病 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの遺伝学的な多くの検討により、転写因子Fli1の様々な細胞における発現変化が、膠原病の中でも特に全身性強皮症、全身性エリテマトーデスでその発症に関与している可能性が指摘されており、その機序の解明が待たれるところである。さらに近年それらの疾患の病態にγδT細胞が関与していることが報告されている。そのような背景から,まずFli1の発現が恒常的に低下しているγδT細胞の機能について検討するため、Fli1 floxマウスとTcrd -Creマウスを交配し、γδT細胞特異的Fli1ノックアウトマウスを作成、維持、繁殖させた。γδT細胞特異的Fli1ノックアウトマウスから,磁気細胞分離法を用いてγδT細胞を単離し,その細胞の性質を主にフローサイトメトリーを用いて検討した。その結果,コントロールマウス由来のγδT細胞に比べてIL-17Aの発現が上昇している可能性があることを見出した。γδT細胞は特にマウスにおいてIL-17の主要な分泌源として知られており、全身性強皮症、SLEではIL-17のその病態への関与が指摘されている。そのため、γδT細胞におけるIL-17分泌を刺激するようなIL-1βやTNF-αといったサイトカイン刺激をin vitroで行い、その刺激に対する反応をフローサイトメトリー、ELISA法および定量的リアルタイムPCR法を用いて評価を行い,γδT細胞特異的Fli1ノックアウトマウス由来のγδT細胞では,それらの刺激に対してより多くのIL-17Aを分泌する可能性を見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度,γδT細胞特異的Fli1ノックアウトマウスを作成、維持、繁殖させたが,繁殖状況がやや芳しくなく,動物モデルの作成がやや遅れているが,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
γδT細胞特異的Fli1ノックアウトマウスを用いて,動物モデル(ブレオマイシン誘発強皮症モデルおよびTLR7アゴニストによるSLE誘発モデル)の作成を行い,その表現型を解析することを目標とする。
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