2017 Fiscal Year Annual Research Report
自家静脈グラフトを用いた下肢動脈バイパス術後狭窄形成の機構解明および治療応用
Project/Area Number |
17H06635
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 利夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80802694)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 静脈グラフト / 内膜肥厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈バイパスに使用された自家静脈グラフトが狭窄から閉塞に至るメカニズムとして、血管平滑筋細胞が異常増殖することで発生する内膜肥厚の関与が示唆されているが、血管平滑筋細胞を異常増殖に向かわせる機構は未だ解明されていない。本研究においては、ラット大腿静脈グラフトを用いた大腿動脈バイパスモデルを作成して経時的に観察し、自家静脈グラフトが狭窄から閉塞に至る変化を観察することが第一段階である。 当初の計画では、モデル作成の手技の安定化に3ヶ月程度費やし、手技安定が得られた後にバイパス術後2週間・6週間・10週間・14週間の4点で静脈グラフトを摘出して組織切片を作成し、内膜肥厚の程度や閉塞の有無を判定する予定であった。平成29年10月より研究を開始し、当初の計画よりはやや遅延しているが、平成30年3月現在の時点でモデル作成手技の安定化が得られつつある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては、ラット大腿静脈グラフトを用いた大腿動脈バイパスモデルを作成して経時的に観察し、自家静脈グラフトが狭窄から閉塞に至る変化を観察することが第一段階である。当初の計画では、モデル作成の手技の安定化に3ヶ月程度費やし、手技安定が得られた後にバイパス術後2週間・6週間・10週間・14週間の4点で静脈グラフトを摘出して組織切片を作成し、内膜肥厚の程度や閉塞の有無を判定する予定であった。 顕微鏡下にマイクロサージェリーの手技を用いてグラフト吻合を行う技術的困難さゆえに当初の計画よりはやや遅延しているが、平成30年3月現在の時点でモデル作成手技の安定化が得られつつある状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット大腿静脈グラフトを用いた大腿動脈バイパスモデル作成の技術的安定が得られた後、バイパス術後バイパス術後2週間・6週間・10週間・14週間の4点で静脈グラフトを摘出して組織切片を作成し、HE染色やEVG染色により内膜肥厚の程度や閉塞の有無を判定する。 同時に、Smad3、KLF5等内膜肥厚形成に関連した各種因子に対する免疫染色や、組織抽出液に対するウェスタンブロッティング法による蛋白発現の確認等も行い、内膜肥厚形成の経時的変化のメカニズム解明をめざす。
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