2017 Fiscal Year Annual Research Report
皮質-皮質間誘発電位における刺激位置と誘発反応分布についての定量解析
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17H06636
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 勢二郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30803639)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 皮質-皮質間誘発電位 / 脳機能マッピング / 皮質脳波 / てんかん |
Outline of Annual Research Achievements |
皮質-皮質間誘発電位(cortico-cortical evoked potential: CCEP)は脳機能ネットワークに依拠した現象であり、これを脳機能マッピングに応用する試みが進んでいる。現在の標準的脳機能マッピング法である皮質電気刺激マッピングと比較して、低侵襲で適用範囲が広いことが利点と考えられる。しかしながら、CCEPが生じる電気生理学的メカニズムは未だ明らかになっていないことも多く、マッピング法としての標準化も不十分である。CCEPではある機能野を刺激してそれと関連する領域の誘発反応を記録するが、機能野内で刺激位置を変化させた場合に誘発反応の空間分布や大きさがどのように変化するかは詳細に記述されていない。本研究では高密度電極を用いて、刺激位置と誘発反応の空間分布・大きさの関係性を定量的に評価することを目的としている。本研究で得られる成果はCCEPを用いた脳機能マッピングの標準化へ重要な示唆を与えることが予想される。 平成29年度は2-3例での計測とデータ処理、症例毎の解析を計画していた。実際には平成29年度に3症例の計測を行い得た。現在、解析を終えた症例では、同一機能野内を刺激しているにも関わらず、その刺激位置に応じて誘発反応の分布や電位の大きさに違いが認められた。さらに推定される機能野少し外れると反応に大きな変化が生じることも確認された。現在、さらに症例間でこれら反応の変化に規則性があるか検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もともと2年間で5-8症例、平成29年度は2-3例で計測を行う予定であった。実際には平成29年度内に3症例の計測を行い得ており、目標とする症例数に到達ができた。また、解析についても症例毎のinitialなものは順調に進んでおり、症例間での検討を行っているところである。現在は計画通りでおおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は引き続き可能な範囲で計測を重ねるとともに、症例毎に行うのみならず、症例間での比較・統合を行っていく。特に刺激位置の変化量と空間分布・大きさの変化量について相関関係を記述していく予定である。今年度後半の論文発表に向けてデータを整えていく。
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