2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of installing cRGD peptide on micellar nanomedicines incorporating cisplatin against cancer stem-like cells
Project/Area Number |
17H06641
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 一樹 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (50801213)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ナノバイオ / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト舌癌リンパ節転移マウスモデルに対するcRGD搭載シスプラチンミセル (cRGD-CDDP/m) の抗腫瘍効果をIVIS imaging systemを用いて評価した結果、シスプラチン(CDDP)、シスプラチンミセル (CDDP/m)と比較して、リンパ節転移に対する高い抗腫瘍効果、転移抑制効果が認められた。その結果、cRGD-CDDP/m投与群においては、ヒト舌癌リンパ節転移マウスモデルの生存期間の延長が認められた。cRGDペプチドをリガンドとしてCDDP/mへと搭載する事で、特にリンパ節転移に対する治療効果が向上する事が示された。 ここで、転移リンパ節組織、正常リンパ節組織におけるインテグリン発現を免疫組織化学的に解析した結果、転移リンパ節の正常領域と正常リンパ節において、RGD配列を認識するα5β1インテグリンの発現が確認された。よってcRGD-CDDP/mは、転移リンパ節の新生血管内皮細胞に発現するαvβ3インテグリン、転移リンパ節の腫瘍細胞に発現するαvβ5インテグリン、転移リンパ節の正常領域に発現するα5β1インテグリンの計3つのインテグリンをターゲットとする事により、転移リンパ節組織への優れた薬剤集積性、リンパ節転移に対する優れた抗腫瘍効果を発揮したものと考えられた。 また、本研究に用いたヒト舌癌リンパ節高転移能を有する細胞株(SAS-L1-Luc)には、がん幹細胞マーカーの一つであるCD44v9とαvβ5インテグリンが共発現しており、cRGD-CDDP/m投与時にはCDDP/m投与時と比較し、SAS-L1-Luc細胞株におけるCD44v9の発現を有意に減少させ、薬剤濃度を上げるとその差は顕著であった。この結果より、cRGDをリガンドとしてCDDP/mへと搭載する事で、αvβ5インテグリンを介した選択的ながん幹細胞ターゲッティングが可能となる事が示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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