2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research to elucidate the relationship between periodontal disease and cardiovascular disease and its mechanism
| Project/Area Number |
17H06663
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
|---|
Principal Investigator |
佐藤 博紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10804586)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
| Keywords | 歯周病 / 循環器疾患 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は動物モデルを用いた基礎実験から、特定の歯周病原細菌感染が心血管疾患の病理変化を増悪するメカニズムを解明することを目的とした。具体的には実験的歯周炎モデル及び動脈硬化モデル(アポ E 欠損マウス(Apoe-/-))を用いて、歯周病と動脈硬化との相互的な影響と、その機序を解明することであった。
平成29年度は計画に基づき、野生型マウスでの実験的歯周炎モデルを用いて、IKK阻害剤が歯槽骨吸収に与える影響を評価した。研究の結果、腹腔内投与ではあるが全身投与した薬剤が、歯周組織炎症の結果として起こる歯槽骨吸収を抑制する事を改名した。また、そのメカニズムとして、IKK投与群の歯周組織にはTRAP陽性細胞数が有意に少ないこと、RANKLの発現がmRNAレベルで有意に抑制されていることが明らかになった。同年度にはこれを日本歯周病学会60周年記念京都大会 （2017年12月16日）にポスター発表を行った。
上記のパイロット研究をまとめ、遺伝子改変マウス（動脈硬化モデル(アポ E 欠損マウス(Apoe-/-))での実験を試みた。外部協力者より、該当マウスを譲渡いただき、繁殖を試みた。しかしながら、遺伝子操作および繁殖、また他施設からの追加譲渡が諸事情により遂行できず、動物実験での研究報告は以上となった。
したがって、上記のパイロット実験の研究成果をまとめ、学会発表と論文発表を行うこととした。
遺伝子改変マウスでの実験ができなかった分、循環器疾患と歯周病の関連性についての研究を追加で行うこととした（平成30年度）。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通り野生型マウスでのパイロット実験を行い、その成果を学会、論文で発表した。本来の予定であれば、この後に、ApoE欠損マウスを用いて、歯周病と動脈硬化の関連性とそのメカニズムを解明するための研究・実験を行う予定であった。しかしながら、マウスの譲渡に際し、胚操作クリーニング・繁殖が技術的な問題から行えず、一時中断となった。その後、学外の研究協力者が研究活動が継続できないこととなり、予定の実験は行えなかった。
そのため、我々は歯周病と関連性のある循環器疾患の新たなターゲットを見い出すため、これまでに行った臨床研究のサンプルの解析を行った。その結果、末梢動脈疾患と歯周病との関連性を見出し、その成果を学会・論文発表した。今後は末梢動脈疾患と歯周病の関連性についての研究を行う予定である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
歯周病と抹消動脈疾患の関連・メカニズムについて研究を行う必要がある。先行研究では、バージャー病などの疾患が動物研究・疫学調査から歯周病と関連性が報告されている。しかしながら、こうした末梢動脈疾患は、動物実験のモデルが確立していないものが多い。まずは動物実験モデルの調査・確立を行い、その上で実験的歯周炎をそのモデルマウスで行うことが必要である。
|
