2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Prevention of Fibrosis by the Elucidation of Interaction between Lymphoid Follicles and Activated Liver Stellate Cell.
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17H06691
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上村 博輝 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (40706420)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 肝内リンパ濾胞 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝内に形成されたリンパ濾胞組織は慢性C型肝炎の組織 においてみられることが多かったが、ウイルス性肝炎の 小動物実験系が成立せず、また肝炎ウイルス排除のための研 究・臨床が第一義であったため、これまで肝リンパ濾胞組織と 組織線維化について行われた研究はなかった。炎症の源を形成する 肝内でのリンパ濾胞組織と間質細胞への細胞間コミュニケーションを解明し、革新的組織線 維化対策に寄与することが本研究の目的である。 肝リンパ濾胞組織(Intrahepatic Lymphoid Follicle : ILF)と分化されたリンパ球、活性化肝星細胞による線維化、星細胞の老化と排除について研究を開始させて頂いた。ヒト肝生検検体と保存血清の試料について ILF、線維化評価をFFPEサンプルの切り出しから開始し、最新の機器(MRI、ARFI)や線維化マーカーで収集された臨床的データの相関性についてサーベイランスを開始した。また、当教室で既に飼育している老化・炎症モデルのメダカ等の肝臓の供与等で in vivo での解析にも着手している。 具体的にはFFPE サンプルについて、肝ILFを有する組織で分化したと考えらえる周囲インターフェイス領域 の NK 細胞、CD3、CD4陽性T細胞、CD8T細胞、NKT細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞の染色を行った。またメダカの肝臓においても、リンパ濾様集簇を認め、他種の動物免疫染色抗体を使用して、T細胞系マーカーとマクロファージ、の染め分けが可能であることを確認した。 現在、再現性を確認中であり、計画がうまく進んだ際には飼育メダカの数を増やし、リンパ濾胞の有無と週数による線維化の進展について検証を行う。 また学内倫理委員会の承認を得て、県内多施設からの検体からも同様の解析が開始可能になった。各施設での倫理委員会の対応も行いretrospectiveにも臨床データの蓄積も並行して行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体での免疫染色は50検体行い臨床データも整理されている。他施設での臨床データの抽出とメダカの実験の再現性が2年目の目標である。
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Strategy for Future Research Activity |
インターフェイス領域に存在し、ILF から分化したリンパ球の近傍に存在する肝星細胞と、 近傍には存在しない肝星細胞、ILF を形成していない検体の肝星細胞について p75NTR やデスミン、αSMAの定性的、定量的評価を行う。モデルメダカやマウスでの in vivo での検討をさらに追加する。 また肝細胞から産生される NGF(Nerve Growth Factor)により肝星細胞はアポトーシスを誘導するとされているため、筋線維化芽細胞へと分化した肝星細胞は後に内在するデスドメイン領域 p75NTRが存在し、また老化マーカーとして酸化ストレスの指標でもある、8-OHdG、AOPP,TBARS等の検索も行う。
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