2017 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素固定を志向した人工光合成システムの構築と速度論的解析
Project/Area Number |
17H06702
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山本 雅納 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (70802966)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / 電気化学 / ランタノイド系複合酸化物 / プロトン共役電子移動 / モリブデン錯体 / 無機化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽光の有効利用を行うには、可視光および近赤外光のエネルギーを電気エネルギーへと変換するだけでは不十分であり、水素などの化学結合エネルギーへと変換することで『一時保存』する手法の確立が不可欠である。現在は『一時保存』された化学エネルギーとしての化石燃料を人類は一方的に利用しているが、将来的には太陽光と水(水および電子源)と二酸化炭素(炭素源)から炭素-炭素結合を再生する必要がある。このような背景を受け、本研究では高触媒活性と高耐久性の両立を志向した無機材料の設計・評価と、それを利用した光電気化学的な物質変換系の構築、およびその速度論的解析という3段階の研究課題を設定しており、本年度は無機材料の設計・評価を主に行った。金属酸化物材料を利用した電気化学的な二酸化炭素還元により、40時間以上の活性を持続する触媒表面の創製をこれまでに達成している。可逆水素電極 (reversible hydrogen electrode (RHE)) に対して-0.6 V程度の印加電圧においても炭化水素生成物を安定して得ているとともに、13C-標識二酸化炭素を用いた電解実験及び引き続く核磁気共鳴分光法実験 (13C{1H} NMR) により『二酸化炭素が多電子/多プロトン還元を受けることによる炭化水素合成』を確かめている。 他方、窒素分子との相互作用を示す無機材料を発見しており、この相互作用を共鳴ラマン分光法等により裏付けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属酸化物材料を利用した電気化学的な二酸化炭素還元により、40時間以上の活性を持続する触媒表面の創製をこれまでに達成している。可逆水素電極(RHE)に対して-0.6 V程度の印加電圧においても炭化水素生成物を安定して得ているとともに、13C-標識二酸化炭素を用いた電解実験及び引き続く核磁気共鳴分光法実験 (13C{1H} NMR) により『二酸化炭素が多電子/多プロトン還元を受けることによる炭化水素合成』を確かめている。
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Strategy for Future Research Activity |
触媒活性および耐久性を両立する表面の学理的な解析により、その現象の包括的な理解を期すとともに、これにより得た知見を踏まえてより高活性な触媒材料の設計・創製を行う。そののちに、光電気化学的な物質変換反応の検討・ならびに速度論解析を行う予定である。 また、本課題において見出した窒素分子との相互作用を示す無機材料について、物理化学的な理解(熱力学的および速度論的理解)を深めるとともに、適宜、還元的窒素固定反応についても評価・検討する。
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Research Products
(7 results)