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2017 Fiscal Year Annual Research Report

胃がん幹細胞の同定および制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17H06710
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

寺門 侑美  金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (00803339)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywords幹細胞 / 胃がん / マウスモデル
Outline of Annual Research Achievements

近年、化学療法において薬剤抵抗性が問題となっているが、原因の一つとしてがん幹細胞の存在があげられる。このことから、がん幹細胞の特性の解明はがんの新規治療法を開発するうえで重要な知見となる。しかし、胃がん組織におけるがん幹細胞の性質とその制御機構は明らかにはなっていない。そこで申請者は胃がん幹細胞に着目に研究を行うこととした。
1) in vivo における細胞系譜特異的マウスモデルの作成
Lgr5陽性細胞を細胞系譜特異的に系統追跡できるマウスLgr5-DTR-EGFPマウスは、ジフテリアトキシン受容体がLgr5プロモーター上に挿入されており、ジフテリアトキシンの投与によって、in vivoでLgr5陽性細胞を欠損させることができる。このマウスに、炎症反応依存的に胃がんを発生するマウスモデルGanマウス(Oshima H et al., Gastroenterology, 2006)を交配させることで、胃粘膜上皮でLgr5の発現を可視化した、炎症反応依存的胃がん発生マウス(Gan/ Lgr5-DTR-EGFPマウス)を作製した。次に、このマウスにおけるLgr5発現をGFPの免疫染色で評価したところ、胃体部の腫瘍の一部の胃上皮細胞においてLgr5の強い活性化が認められた。
2) 炎症依存的胃がんにおけるLgr5陽性細胞の性質の評価
上記のマウスにジフテリアトキシンを投与することによって、胃がん組織でLgr5陽性細胞を除去した際に腫瘍がどのように変化していくかを経過的に観察した。コントロールにはGanマウスを使用した。ジフテリアトキシンの投与1か月後にこれらのマウスにおける腫瘍の形態的・組織学的検討を行った。Lgr5発現をGFPの免疫染色で評価したところ、組織内の細胞はGFP陰性であり、Lgr5陽性細胞が除去されたことが確認できた。コントロールのマウスと比較してGan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスにおいては腫瘍の有意な減少が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の研究により、炎症依存的胃がんの発症におけるLgr5陽性細胞の関与が明らかとなった。
Lgr5陽性の胃がん悪性化における役割とがん幹細胞特性の評価は、発がん分子メカニズム解明に役立つものと期待される。

Strategy for Future Research Activity

上記のマウス(Gan/ Lgr5-DTR-EGFPマウス)の胃から、正常およびと腫瘍上皮細胞を採取してオルガノイドを作製する。
また、候補遺伝子をオルガノイドで強制発現または発現抑制させ、生存や分化・増殖、および浸潤などの形質変化を評価する。
マウス由来のオルガノイドのうち、浸潤やEMT誘導などの悪性化にかかわる表現型があったものについては、免疫不全マウス(NOGマウス)の胃壁に移植し、生体内における浸潤や転移能の評価を行う。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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