2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of gastric cancer stem cells and regulatory mechanism.
Project/Area Number |
17H06710
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺門 侑美 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (00803339)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 幹細胞 / 胃がん / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症反応依存的胃がん発生マウスGanマウスに、Lgr5陽性細胞を可視化または除去できるマウス(Lgr5-DTR-EGFPマウス)を交配し、Gan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスを作製した。このマウスにジフテリアトキシン(DT)を投与し、Lgr5陽性細胞を除去させることで腫瘍部にどのような影響が及ぼされるか、形質的(腫瘍の大きさや数)また組織学的(染色による病理組織学的診断)変化を経時的に解析した。 (1) Gan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスの胃粘膜上皮におけるLgr5発現の検討 生後8か月のGan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスにおけるLgr5発現をGFPの免疫染色で評価したところ、胃粘膜腫瘍の一部にLgr5陽性細胞が認められた(図3参照)。また、Lgr5陽性細胞の局在は、胃腺底部に特異的に存在する正常の胃組織幹細胞とは大きく異なり、胃がん組織全体に点在していた。この結果から、炎症を伴う胃がんの発生過程において、Lgr5により標識されるがん細胞が存在することと、その細胞が何らかの役割を担っている可能性が示唆された。 (2) Lgr5陽性細胞の胃がん維持における役割の検討 胃がん組織に存在するLgr5陽性細胞の役割を検討するため、生後8か月のGan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスにDTを1か月間投与し、Lgr5陽性細胞の除去が胃がん組織へ及ぼす影響を観察した。DTの投与1か月後にこれらのマウスにおける腫瘍の形態的・組織学的検討を行ったところ、DTを投与していないコントロールのマウスと比較してDTを投与したGan/ Lgr5-DTR-EGFPマウスでは胃粘膜腫瘍の有意な退縮が認められた(図4参照)。この結果より、Lgr5陽性細胞が、がん幹細胞として胃がん組織維持やがん細胞増殖、分化に関与しているという重要な知見を得た。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|