2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of glial differentiation by PRMT1
Project/Area Number |
17H06730
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
橋本 美涼 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (80805424)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | アルギニンメチル化 / PRMT1 / グリア / アストロサイト / ミクログリア / RNA-seq / 炎症性サイトカイン / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系は、神経幹細胞の増殖とニューロン・グリアへの分化により正常に発達する。アルギニンメチル化酵素PRMT1は神経幹細胞で高発現しているが、神経ネットワーク形成に対するPRMT1の役割は不明な点が多い。我々はこれまでの研究で神経幹細胞特異的PRMT1欠損マウス(CKOマウス)が髄鞘形成不全を呈したことから、PRMT1がグリアの一種であるオリゴデンドロサイトの成熟に必須であることを明らかにした。一方でPRMT1がもう一種のグリアであるアストロサイトの発達に果たす役割は不明であった。 そこで、本研究ではCKOマウス脳を用いて、PRMT1によるグリア分化メカニズムの解明を目的とした。まず、CKOマウス生後8~10日目の脳の組織学的解析から、アストロサイトや脳内免疫担当細胞のミクログリアが増加していることを見出し、脳損傷時にも認められるグリオーシスが誘導されていることが示された。次にこのメカニズムを知るため、誕生直後のCKOマウス脳においてRNA-seqを行ったところ、炎症性サイトカインIl-6やケモカイン受容体Cx3cr1等の炎症関連遺伝子が上昇していた。以上の結果から、CKOマウス脳では発達中に自発的に脳内で炎症様の応答を示すことが判明した。 さらに、CKOマウス脳におけるグリオーシスが、アストロサイトにおけるPRMT1の細胞自律的な制御によるものか検討した。しかし、初代培養グリア細胞やラット由来C6細胞にてPRMT1をノックダウンしても、グリオーシスの指標となるGFAP発現は上昇しなかった。このことから、CKOマウス脳におけるグリオーシスは周囲の細胞(神経幹細胞等)におけるPRMT1欠損によるものである可能性が示唆された。 本研究から、中枢神経系においてPRMT1はオリゴデンドロサイトのみならずアストロサイトを含むグリア細胞の正常な発達に必須であることが明らかになった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)