2017 Fiscal Year Annual Research Report
Downsizing of efficient bi-propellant rocket engine by using detonation combustion
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17H06741
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川崎 央 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20802242)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | デトネーション / 宇宙推進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,既存の工学機器で利用される燃焼形態とは明確に異なるデトネーション燃焼をロケットエンジンシステムに利用することで,二元推進剤化学推進機の高い比推力性能を保ちながらも,ターボポンプの削除および燃焼器長さの短縮を可能とし,超小型衛星にも搭載可能なスケールを目安にエンジンサイズを小型化することを目指している.本年度(2017年度)は,これまで研究代表者の所属研究室で開発研究が進められてきた典型的なスケールの回転デトネーションエンジンに関して,デトネーション燃焼を安定的に維持するための燃焼器の寸法効果を実験的に検討した.回転デトネーションエンジンにおいては,燃焼器として同軸二重円筒形状を有するものを用いるのが常識であったが,二重円筒の内円筒についてその半径をこれまでの典型的なサイズ(31 mm)から内筒無し(0 mm)まで段階的に変化させ,推力や比推力といった推進性能にどのような影響を及ぼすか検討した.具体的には,実験実施のための実験系整備として,所属研究室で開発が進められてきたエンジンの1つに関して,燃焼器の流路構造を可変とする改造を施し,所属研究室で昨年度(2016年度)から運用を開始した大型真空燃焼チャンバーにて試験を行うためのスラストスタンド及び制御・計測系のアップグレードを行った.また,実際に実験を実施することにより,内筒を順次縮小し,最終的には内筒を削除しても比推力性能には大幅な劣化は見られず,回転デトネーションエンジンを小型化する上での重要な知見を得た.これに加え,高速度カメラによる燃焼器内部およびプルームの撮影により,デトネーションエンジンの流れ場・燃焼場の3次元非定常特性が性能に与える影響に関しても示唆を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた回転デトネーションエンジンの寸法効果について定量的な知見を得ることができ,更に,推進機性能の維持に燃焼器内筒を必ずしも要さないとの示唆が得られた.このことは,次年度(2018年度)に向けて,エンジンサイズを強く律速する燃焼器断面積を一定に保ちながらも,エンジンを包絡する円の半径を小さくすることを可能にすることに繋がる重要な知見であり,本研究はおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2018年度)は,デトネーション燃焼を利用した小型2元推進剤ロケットエンジンの実現の素地確立に向けて,本年度(2017年度)の研究の更なる発展を試みる.具体的には,本年度(2017年度)の成果とし得られた知見に基づき内筒削除した回転デトネーションエンジンを基本として,燃焼器外筒の半径を縮小したエンジンを製作,試験する.回転デトネーションエンジンを実用化する上では,特に,耐熱設計が鍵となると考えられるので,エンジン各部の温度履歴や,熱負荷の定量化については特に慎重に検討を行う.加えて,既存のロケットエンジンとは異なり,強い3次元性および非定常性を有する流れ場および燃焼場に対応した,回転デトネーションエンジン特有の設計則についても注意深く検討を行う予定である.
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Preliminary Experiments on Rotating Detonation Rocket Engine for Flight Demonstration Using Sounding Rocket2018
Author(s)
K. Goto, J. Nishimura, J. Higashi, H. Taki, T. Ukai, Y. Hayamizu, K. Kikuchi, T. Yamada, S. Watanabe, K. Hotta, T. Inakawa, A. Kubota, M. Yamaguchi, T. Daicho, A. Kawasaki, K. Matsuoka, J. Kasahara, A. Matsuo, and I. Funaki
Organizer
56th AIAA Aerospace Sciences Meeting
Int'l Joint Research
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[Presentation] Study on Rotating Detonation Engine Performance in Low Ambient Pressure for Sounding Rocket Flight Experiment2017
Author(s)
J. Kasahara, K. Matsuoka, A. Kawasaki, K. Goto, J. Nishimura, J. Higashi, H. Taki, T. Ukai, Y. Hayamizu, K. Hiroyuki, T. Yamada, S. Watanabe, K. Hotta, T. Inakawa, Y. Kubota, M. Yamaguchi, T. Daicho, A. Matsuo, I. Funaki, K. Yasuda, K. Mori, H. Yagihashi, D. Nakata, M. Uchiumi, and K. Higashino
Organizer
International Workshop on Detonation for Propulsion 2017
Int'l Joint Research
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