2017 Fiscal Year Annual Research Report
正電荷ナノワイヤと高感度SNP検出装置による脳腫瘍リキッドバイオプシー遺伝子診断
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17H06742
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
栗本 路弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40806501)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノム診断 / 脳腫瘍 / 迅速診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床腫瘍検体、血液検体、髄液、尿を用いたIDH1/2遺伝子変異の迅速診断技術を確立した。検体解析を進めたのちにそれらの結果と、従来法であるサンガーシークエンスやFISH法等の解析を行い、結果を照合した。また術中に腫瘍検体を用いて腫瘍中心部や辺縁部等のマルチサンプリングを行い、解析する検体の部位と解析感度を照合、その後にH3F3A、TERT、BRAF遺伝子等の解析をすすめるため、利用可能な細胞株を検索し過剰発現細胞株を作成した。 蛍光プローブであるQプローブを用いて、IDH1/2、1p/19q LOHを全自動SNPs解析装置i-Densyで解析した。IDH1 R132についてはプローブ作成が完了しており、DNAでIDH2 R172に対するプローブ設計を行うとともに、両プローブとも腫瘍組織検体を用いた全自動SNPs解析を行った。同一腫瘍組織の残検体を用いてアンプリコンシークエンスを行い変異を同定し比較対象とし、同定された異常があることを確認できた。染色体コピー数異常についてはさらに正確性を高めるためMLPA法を用いて再解析を行った。 IDH1/2変異の術中迅速診断と先述の手法で遺伝子変異を検証し、術前病理診断と術後確定病理診断とも比較し迅速遺伝子診断の有用性を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手術検体のマルチサンプリング検体のばらつきが大きく、解析結果にかなりのバイアスがかかっていると考えられたため。また、臨床業務が占めるエフォートが予想よりも大きくなり、研究業務に割ける時間がかなり限られていることが要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
検体採取に関しては関係者内でのルール作成により検体採取時のバイアスを最小限に抑える。解析方法については最大限バイアスを抑える工夫がなされているため、これにより検体格差によるバイアスが最小限にできると期待する。 臨床業務での業務分担を進め、研究業務に対するエフォートを確保するように努める。
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