2017 Fiscal Year Annual Research Report
RNA可視化技術と接ぎ木デバイスを基盤とした植物の長距離移動性mRNAの動態解析
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17H06744
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
筒井 大貴 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (10807150)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 接ぎ木 / マイクロデバイス / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
生物にとって、全身の異なる組織・器官の間で情報のコミュニケーションを図ることは、個体としてのパフォーマンスを適正に発揮するために重要である。植物では近年、RNAやタンパク質といった生体高分子が、そうした個体内の全身性の情報伝達に働くことが明らかとなりつつある。主たる伝達経路は全身に栄養を運ぶ組織である篩管と考えられ、mRNAは篩管中に多く見つかる。これまでに複数の植物種で移動性mRNAが同定され、その進化的保存性が指摘されていることから、移動性mRNAは未知の生物学的意義を持つことが期待される。しかし、移動性mRNAの追跡技術が不在であるため、長距離移動の時空間的動態が未解明であり、移動することの生物学的意義の理解は殆ど進んでいない。そこで本研究では、植物体内におけるmRNAの長距離移動を追跡する「RNA可視化技術」を構築し、その技術と「マイクロデバイス」を併用してライブイメージングを実現し、移動性mRNAの時空間的動態を明らかにすることで、長距離移動するmRNAの生物学的意義に迫ることを目的とした。 本年度では、以下の項目に重点を置いて研究を遂行した。 (1)mRNA可視化用のRNAアプタマー配列 "Spinach"を標的mRNAに付加したシロイヌナズナ形質転換体の作出する (2)マイクロデバイス技術を用いてシロイヌナズナの接ぎ木を効率化した上で、イメージングに適したマイクロデバイスを設計・構築する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、移動性RNA可視化のためのRNAアプタマー付加mRNAを発現する植物体を複数、準備した。 接ぎ木デバイスについても20以上の試作・改良を重ねて、接ぎ木をより効率よく行い、また、接ぎ木部を露出させて固定できるようにして、イメージング用に改良した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前年度に作出したmRNA可視化用植物を用いて、移動性mRNAの可視化を実施し、その時空間的動態を明らかにすることを試みる。 まず、複数用意したmRNA可視化用植物の中から、標的mRNAを多く発現していてその検出がより容易に行えそうなものを選抜する。次に、mRNA可視化用植物を穂木、野生株を台木として、本課題で作製した接ぎ木デバイスにて接ぎ木を実施する。それによって、穂木から台木へと移動した標的mRNAが台木のどの細胞・組織に蓄積しているかを、深部観察に適した二光子励起顕微鏡を用いて明らかにする。観察に際して接ぎ木デバイスの改良が必要になった場合は、その都度、接ぎ木デバイスを改良する。
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Research Products
(4 results)