2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of extracellular matrix on hepatocyte function in liver cirrhosis
Project/Area Number |
17H06749
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小木曾 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (10804734)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 脱細胞化 / 線維化 / 肝硬変 / 肝細胞 / 細胞外基質 / 上皮間葉転換 / インテグリン / FAK |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスにCCL4を8週間投与し肝臓に線維化を誘導し、採取した肝臓に薬剤処理を施し脱細胞化を行った。マウス初代肝細胞 3000万を経胆管的に脱細胞化肝臓組織に注入、生着させて、細断した上で培養皿上で1週間培養した。線維化肝由来脱細胞化組織で培養を行ったものは、正常化肝由来脱細胞化組織で培養したものと比較して遜色ない高い生着率と生存率が得られた。いっぽう、肝特異的蛋白であるアルブミン、CYP3A1、HNF4aの遺伝子発現は線維化肝由来脱細胞化組織で培養されたもので有意に低く、アルブミンおよび尿素の合成量も有意に少なかった。また、線維化肝由来脱細胞化組織で培養されたものでは、Snail1やVimentinの遺伝子発現が増強しており、上皮間葉転換様の変化の存在が示唆された。さらに、線維化肝由来脱細胞化組織ではインテグリンβ1の蛋白および遺伝子発現が亢進するとともにリン酸化FAKが増えており、インテグリンーFAKシグナルの活性化が確認された。FKA阻害剤によるインテグリンーFAKシグナルの抑制実験を行ったところ、正常化肝由来脱細胞化組織で培養されたものではHNF4aの発現が低下するのに対し、脱細胞化肝由来脱細胞化組織で培養されたものではSnail1の発現が濃度依存的に抑制されるとともにHNF4aの発現が増加した。肝線維化の進行とともに細胞外基質からのインテグリン―FAKシグナルが活性化し肝細胞機能を低下させること、その機序に上皮間葉転換の誘導の関与が示唆されること、インテグリン―FAKシグナルの抑制が肝線維化による肝細胞の上皮間葉転換様変化を抑制し肝機能を改善するための治療選択肢の一つとなりうることが示された。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|