2017 Fiscal Year Annual Research Report
Control of protein function by self-assembled artificial organelle
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17H06759
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉井 達之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30778048)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 蛋白質 / オルガネラ / 細胞 / 有機化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞の中は、機能的かつ空間的に隔てられた様々な小器官(オルガネラ)に分かれている。シグナル伝達に関わる蛋白質の多くは、外部の情報を認識したあと、細胞内での局在が変化し相互作用や反応する相手に出会うことで活性化する。このような細胞のもつ蛋白質の局在変化を人工的に誘導することができれば、蛋白質の活性をコントロールする技術につながると考えられる。本研究では細胞内に新たに人工オルガネラとして蛋白質クラスターを作製し、その内外でのシグナル蛋白質の取り込みや放出によって蛋白質活性およびシグナル伝達の制御を目指した。 具体的にオリゴマー形成蛋白質ドメインを複数連結した“自己組織化ドメイン”を細胞内に発現させたところ、球状の蛋白質クラスターを形成することが共焦点レーザー顕微鏡での観察から明らかとなった。また、この蛋白質クラスターにFRB(FKBP-Rapamycin-binding)ドメインを融合させたものを発現させても同様に蛋白質クラスターを形成することが明らかとなった。さらに、FKBP12(FK506 binding protein)と蛍光タンパク質を連結させた融合蛋白質をサイトゾルに発現させ、小分子化合物であるラパマイシンを添加すると、蛋白質クラスターへと取り込ませることができた。今後、シグナル伝達に関わりの深いキナーゼやGTPaseなどの蛋白質に応用することで、細胞内における蛋白質のコンディショナルノックアウトシステムへと応用でき、細胞内シグナル伝達の解明に向けたツールとして期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた人工オルガネラの作製とタンパク質取り込みに関して検討した。オリゴマー形成蛋白質を複数連結した蛋白質を細胞に発現させることで、細胞内に蛋白質クラスター作製することができた。また、人工オルガネラ内への蛋白質の取り込みに成功した。以上より、本年度の進捗としては計画通りに進んだと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、人工オルガネラからの蛋白質放出系の確立を目指す。また、シグナル蛋白質を融合することで、蛋白質活性および細胞内シグナルの制御に関して検討していく。
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