2017 Fiscal Year Annual Research Report
外国にルーツを持つ家庭を対象とした公共図書館の読書支援に関する実証的研究
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17H06761
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
和気 尚美 三重大学, 地域人材教育開発機構, 助教 (80799742)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ブックスタート / 外国にルーツを持つ人 / 英国 / BookTrust |
Outline of Annual Research Achievements |
1.国内外におけるブックスタート事業の概況を把握するため,新聞,雑誌記事,webサイト等から継続的に情報を収集した。 2.日本国内におけるブックスタート推進団体であるBookstart Japanを訪問し,関係職員にインタビューを実施した。インタビューから外国にルーツを持つ者を主な対象に当該団体が行っている取組や関係資料を確認した。また,調査対象となる国内公共図書館の所在を特定した。 3.2018年2月に英国へ出張し,ブックスタートの推進団体であるBooktrustを訪問して関係職員にインタビューを実施した。また,近年移民が多く移住しているCoventryという自治体の公共図書館を訪問し,インタビュー調査を通して担当職員からブックスタートの実施状況や利用者の反応,関連諸団体との連携について話を聞いた。 4.愛知県1館,静岡県1館,大阪府1館の公共図書館計3館を訪問し,館長や担当職員を対象としたインタビュー調査を介して当該自治体におけるブックスタート事業の実施状況を尋ねた。加えて,実際にブックスタート会場に参加し,ブックスタート事業担当職員,ボランティア団体スタッフ,参加市民などの発言や行動を参与観察した。 5.国内外における外国にルーツを持つ者を対象としたブックスタートの概況と各国における特徴について,2018年3月に中部図書館情報学会において「外国にルーツを持つ家庭を対象にしたブックスタート事業の展開」というタイトルで研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は現在進行中のサービスを対象としており,それゆえ,あらかじめ設定した枠組みに沿って研究を進めるというより,研究を進めながら枠組みの設定も同時に進めなければならないため,結果の分析とまとめの作業にはやや遅れが生じた。しかし,外国にルーツを持つ市民に対するブックスタートに関わる図書館職員や関係団体の協力を得て,順調に調査を進め,次年度以降に向けてのデータを十分に蓄積することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,次の事項について研究を進める。 1.継続的に国内調査地において調査を進める。次年度は,主に外国にルーツを持つ利用者側に焦点を当て,彼/彼女らの移住先における生活にとってのブックスタートの意味に迫っていく。 2.デンマークに出張し,デンマークにおける移民に対するブックスタートの実践を明らかにする。 3.これまでの研究成果のとりまとめを行う。
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