2017 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分による食欲中枢機能の修飾-肥満症発症における意義
Project/Area Number |
17H06798
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 賢太朗 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30636999)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | レプチン / レプチン抵抗性 / 視床下部 / 食品成分 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗肥満ホルモンであるレプチンは視床下部ニューロンに発現するレプチン受容体を介してSTAT3をリン酸化し、食欲を抑制する。しかし高脂肪食摂取等の過栄養状態では、視床下部のレプチン応答性障害(レプチン抵抗性)が起こることにより過食とエネルギー代謝活性の低下を来し、さらなる肥満の増悪と代謝異常症候群の合併が惹起される。食品成分が直接ニューロンに作用してレプチン応答性を障害する可能性が示されるが成分名や機序は未解明である。我々は最近、視床下部のレプチン応答性障害の原因となる細胞内シグナル分子の探索により、高脂肪食により活性化されてレプチン依存性STAT3リン酸化を抑制しレプチン抵抗性を惹起する、低分子量Gタンパク質Rap1を同定した。Rap1はGPCR/cAMP経路により活性化され得る。近年、食品成分や代謝・消化産物がGPCRリガンドとして作用することが報告されていることから、食品成分がGPCRリガンドとして働きRap1を活性化することが想定された。本研究では、独自の視床下部器官培養系を用い、レプチンによるSTAT3リン酸化を指標に免疫組織化学およびウエスタンブロットによってレプチン感受性変容活性を示す食品成分を探索した。結果、長鎖脂肪酸の中から、レプチンによるSTAT3リン酸化を亢進させる複数の成分の同定に成功した。さらに、BV-2マイクログリア細胞株を用いた検討により、レプチン抵抗性への関与が知られているマイクログリアの炎症反応をこれらの脂肪酸が抑制することを見出した。本研究の遂行により、食品成分の中から視床下部における細胞内レプチン感受性を直接亢進させる成分が存在することを明らかにした。今後は器官培養系で同定した食品成分をin vivoマウスモデルへ経口投与/摂餌投与することにより視床下部レプチン感受性を亢進させるのか検討することが重要であると考えている。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Development of ghrelin transgenic mice for elucidation of clinical implication of ghrelin2017
Author(s)
Aotani D, Ariyasu H, Shimazu-Kuwahara S, Shimizu Y, Nomura H, Murofushi Y, Kaneko K, Izumi R, Matsubara M, Kanda H, Noguchi M, Tanaka T, Kusakabe T, Miyazawa T, Nakao K.
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Journal Title
Endocr J.
Volume: 64
Pages: S31-S33
DOI
Peer Reviewed
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