2017 Fiscal Year Annual Research Report
UCHL1-HIF-1経路による放射線治療抵抗性の分子メカニズムの解明と対策
Project/Area Number |
17H06812
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 良太 京都大学, 医学研究科, 医員 (90802778)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 放射線治療抵抗性 / 代謝リプログラミング / グルタチオン |
Outline of Annual Research Achievements |
まず始めに、乳がん細胞株EMT6において、脱ユビキチン化酵素ubiquitin C-terminal hydrolase L1 (UCHL1)を過剰発現したときに、転写因子Hypoxia-inducible factor 1 (HIF-1)の活性が上昇することを確認した。その上で、EMT6にUCHL1を過剰発現したところ、細胞内の乳酸が増加する一方、クエン酸回路の中間代謝産物であるクエン酸やイソクエン酸は減少していることを確認した。さらに、HIF-1をノックダウンしたときには、これらの変化は認められず、UCHL1-HIF-1経路がグルコース代謝のリプログラミングを引き起こしていることが分かった。続いて、UCHL1によるNADPH/NADP+比, GSH/GSSG比の変化を測定したところ、共に上昇しており、ペントースリン酸経路の律速酵素G6pdxをsiRNAを用いてノックダウンしたところ、これらの変化が認められなくなった。これより、UCHL1-HIF-1経路は、ペントースリン酸経路依存的に還元型グルタチオンを増加させていることが分かった。そして、コロニー形成試験によって、UCHL1がHIF-1依存的に放射線抵抗性を獲得していること、さらにペントースリン酸経路の律速酵素G6pdxの阻害剤6ANを用いると、UCHL1による放射線抵抗性が減少することを確認した。以上より、UCHL1-HIF-1経路がグルコース代謝のリプログラミングを引き起こし、ペントースリン酸経路依存的な還元型グルタチオンの増加によって放射線抵抗性に寄与しており、治療標的になり得ることを示した。上記、内容をScientific Reports誌に報告した。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|