2018 Fiscal Year Annual Research Report
Temporo-spatial analysis of Protein S100-A7 during wound healing process of pulp tissue
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17H06848
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小道 俊吾 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40804456)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先行研究にて歯髄創傷治癒に関与するタンパクとして同定されたS100A7の歯髄創傷治癒過程における生物学的機能の解明を念頭に、傷害後の歯髄におけるS100A7および関連タンパクの時間空間的局在パターンをを詳細に検討することで、生物学的覆髄剤の開発につなげることを目的としている。研究計画としては i) In vivoの歯髄傷害モデルを用い、象牙質-歯髄複合体創傷治過程におけるとS100A7および関連タンパクの時間空間的局在パターンの解析 ii) siRNAを応用したラット臼歯器官培養モデルを開発し、S100A7が歯髄幹細胞の象牙芽細胞様細胞分化、修復象牙質形成に与える影響を解析 iii) レーザーマイクロダイセクション法とLC-MS/MS法を用いた定量的プロテオーム解析 をおこなうことを計画した。 成果として、歯髄傷害モデルにおいて、破綻した象牙芽細胞層に相当する部位の象牙質の脱灰と、同部歯髄組織中にS100A7の発現を認めた。S100A7の発現が強くなるに従い、受容体であるRAGE陽性細胞の集積が認められ、ピークである歯髄傷害3日後には間葉系幹細胞マーカーであるCD146陽性細胞の遊走も認められ、その一部はRAGEも発現していることが確認された。7日後にはS100A7は消退し、反応象牙質周囲にCD146およびRAGE陽性細胞が認められた。この研究結果から象牙質から放出されたS100A7がCD146・RAGE共陽性である歯髄幹細胞の走化性因子として働くことで歯髄創傷治癒の一端を担っていることが示唆された。過去の報告では歯髄幹細胞をRAGEリガンドで刺激することで石灰化を促進したという報告もあり、生物学的な覆髄剤に応用できるタンパクである可能性がある。実験ⅱ), ⅲ)をおこなうために器官培養モデルの開発に着手したが、安定した培養はまだ実現しておらず、条件設定を試行錯誤中である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)