2017 Fiscal Year Annual Research Report
ソ連・東欧と経済のグローバル化 資源エネルギーをめぐる中近東諸国との関係を中心に
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17H06857
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤澤 潤 神戸大学, 人文学研究科, 特命講師 (90801100)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 西洋史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画にもとづき、資源・エネルギー問題を軸に、第一次石油危機前後のソ連・東欧・中近東諸国の三者関係に関する一次史料を収集・分析した。 その際、ロシア国立現代史文書館が移転作業のために利用できなかったことから、研究計画を変更した。ロシア国立経済文書館における史料調査に加えて、当初は平成30年度に予定していたドイツ連邦文書館における調査を前倒しして行った。その結果、本研究課題に関する重要なロシア語・ドイツ語史料を多く閲覧・複写・分析することができた。 同時に、こうした文書館における史料調査と並行して、研究の早い段階で世界中の研究者から批評を得るために、二度、国際シンポジウムで報告を行った。 フィンランドでは、ヘルシンキ大学で開催されたシンポジウム「Competing Visions: European Integration Beyond the EC/EU」で、「A Program for a Eurasian Integration? The "Complex Program" of the COMECON and the Soviet Attempt to Create a Resource-Based Commonwealth, 1969-1978」という報告を行った。 ドイツでは、ライプツィヒ大学で開催されたシンポジウム「Spaces of Interaction between the Socialist Camp and the Global South」で「A United Front Aganst the Seven Sisters? The Soviet-East European Support for the Iraqi Oil Industry And the Nationalization of the Iraq Petroleum Company, 1967-1979」という報告を行った。 また、邦語雑誌『ロシア史研究』に論文を投稿し、査読の結果採択されることが決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モスクワのロシア国立現代史文書館の予期せぬ閉館のため、同文書館での史料調査ができなかったことは研究の進捗に悪影響を与えた。しかし、その代わりにドイツ連邦文書館で行った史料調査の結果、本研究課題に関する重要資料を大量に収集・分析するとができた。史料収集と並行して、予定通り国際学会での報告2本を行ったほか、雑誌『ロシア史研究』に論文を投稿し、査読の結果、採択されることが決定した。 以上より、研究計画に一部変更があったものの、研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度と同様、国際学会での報告を精力的に行う。 それに加え、平成29年度は利用できなかったロシア国立現代史文書館が平成30年度内に開館する予定であることから、モスクワでの史料収集をいっそう重点的に行う。その代り、当初は平成30年度に予定していたベルリンでの史料調査については、すでに平成29年度に実施し、十分な成果を得られたことから、ベルリンにおける史料調査は実施しない。 そのうえで、これまでの調査を踏まえたうえで、年度内に単著書を刊行する。
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