2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study of a learning interface to connect learners without disturbing individual learning
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17H06863
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
澤山 郁夫 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教 (10806194)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 誘引性付加物 / Seductive Details / 成績上昇量 / 学習時間 / メタ認知的モニタリング / 個人差 / 適性処遇交互作用 / 自己調整困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「学習者同士の繋がる仕組み」がポジティブに働く状況とネガティブに働く状況についての理論的整理を試みるとともに,より効果的な学習インターフェイスのあり方について検討することであった。最終年度は,前年度に開発した調査・実験システムでのデータ収集・分析を通じて,これらの検討を行った。 結果,筆者らがこれまで検討を進めてきた「学習者同士の繋がる仕組み」のように,学習者の注意を惹くが,教材の内容を理解させるためには必要のない付加物(Seductive Details)は,成績下位層の学習者に対しては,学習時間の増加を媒介して成績上昇量を増加させる一方で,成績上位層に対しては,自身の学習についてのメタ認知的モニタリングの抑制を媒介して成績上昇量を抑制することが明らかとなった。すなわち,誘引性付加物の効果は,学習者の成績層によって異なっていた。ただし,誘引性付加物が自身の学習にもたらす影響についての内省報告では,このような交互作用は認められなかった。これらの結果は,学習者が誘引性付加物の影響を正しく認知できていない可能性を示唆している。 したがって,より効果的な学習インターフェイスとしては,学習者が誘引性付加物の影響について理解できるようにするとともに,適切な自己調整(e.g.,誘引性付加物の表示・非表示の切替)が可能となるように,これらに関するチュートリアル教材を用意すること,あるいは,eラーニングシステム側で学習者に適切な条件を判定する仕組みが求められると考えられる。ただし,今後これらの検討をすすめるにあたっては,(1)成績層だけでは当該の学習者にとっての適切な処遇を必ずしも正確に判別できない可能性や,(2)学習者の適性や誘引性付加物の効果が時間の経過とともに変化していく可能性,(3)学習内容によって誘引性付加物の効果のあり方が異なる可能性等に留意する必要がある。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)