2017 Fiscal Year Annual Research Report
GPUとFPGAを用いたスケーラブルなリアルタイム電子ホログラフィシステムの開発
Project/Area Number |
17H06919
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
老川 稔 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 准教授 (90725756)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | ホログラフィ / リアルタイム / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,3次元オブジェクトモデルの時系列データから電子ホログラフィ動画像をリアルタイムに再生するための,効率的かつスケーラビリティに優れたシステムを示すこと,ならびにそのシステムの試作を目的とする. 3次元オブジェクトモデルからその電子ホログラフィ像を再生するために,ホログラムと呼ばれるホログラフィ像を生成する干渉縞パターンをコンピュータシミュレーションで計算する必要がある.ホログラム計算に必要とされる計算量の多さから,リアルタイム再生は一般的には困難と考えられ,多並列化されたコンピュータやGPU等を利用してホログラム生成のスループットを向上させる研究が行なわれている.並列規模が大きくなるほど計算速度の向上を見込める一方,計算結果であるホログラムのコンピュータ間の通信時間も大きくなり,ある程度以上の並列化規模で通信時間がボトルネックとなり得る.本研究ではホログラムの転送に使うコンピュータネットワーク通信をビデオ出力ポートを利用したデータ転送で代替することで,並列化効率に優れた手法を提案する. 当該年度は,本システムのコアとなる時系列ホログラムデータの送受信を行なうハードウェアモジュール部をFPGAデバイスを利用した設計とその動作テストを行った.フルハイビジョンの解像度(1920×1080ドット, 60フレーム毎秒)をもつ2つの独立した動画データを試作したモジュールに同時に入力し,2つの動画からフレームを切り替えて出力させる機能を設計し実機で動作を確認した. (研究実施計画上で「Video Mixer Unit」と呼称している装置に該当する)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度計画では,研究実績の概要の欄で述べたモジュール部分の設計と動作テストに加え,2台のGPU(Graphics processing unit)も併用して小規模な並列計算機環境でのホログラフィ再生の性能テストまでを実施する計画であった.計画通りの進捗を達成できていないものの,コアとなるモジュール部の設計と動作確認ができていることから「やや遅れている」の進捗状況と判断した. 遅れている主な理由としては次のようなものである.製作した時系列ホログラムの結合モジュールは,2系統以上のホログラム動画を入力し,各動画フレームを交互に連結させて1系統の動画を合成することが要求される.その際に必ずしも決まったタイミングで複数の入力動画のフレームが更新されるとは限らず,したがって複数動画の各フレーム一枚毎に何枚目のフレーム情報かを当該モジュール内で判別する必要が生じた.それらのフレーム情報を判別する仕組みを新たに検討し組み込む必要が生じたためである.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度やや遅れている課題は存在したものの有効な対応策を取り,当初研究計画書の内容に沿って進める.本年度に開発したモジュール7台とGPU8台を組み合わせて結合させ,リアルタイムホログラフィ動画の再生パフォーマンスの評価を行なう予定である.
|
Research Products
(1 results)