2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of tau-neutrino production using state-of-the-art emulsion detectors
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17H06926
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有賀 智子 (古川) 九州大学, 基幹教育院, 助教 (00802208)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | タウニュートリノ / Ds中間子 |
Outline of Annual Research Achievements |
3世代あるニュートリノの中で、タウニュートリノについては実験データが少なく、その性質を調べる高精度の測定が必要である。基本的性質であるタウニュートリノ反応断面積の測定は、ニュートリノ振動実験や宇宙からのタウニュートリノ観測のための基礎データであるとともに、タウニュートリノ反応において標準理論を超える新物理からの影響の有無を検証する試みである。タウニュートリノ反応断面積測定は、高エネルギー陽子反応で生成されるタウニュートリノフラックスの推定と、タウニュートリノ反応の検出から成る。ここで、タウニュートリノの生成源であるDs中間子の微分生成断面積が陽子ビームを用いた固定標的実験では測定されていないことが反応断面積測定において最大の不定性になっており、タウニュートリノの生成についての研究が不可欠である。本研究では、タウニュートリノビーム生成の不定性を現在の50%相当から10%以下に減らすため、その生成源であるDs中間子の微分生成断面積をCERN-SPS加速器の400 GeV陽子ビームを用いて初測定することを提案した。実験プロポーザル(SPSC-P-354)を執筆してCERN-SPSCに提出し、2018年1月のSPSCにて2018年のパイロットランの承認と2021年のビームタイム確保の推奨を受けて本実験実施への見通しをつけた。2018年8月のパイロットランのために、本実験の1/10に相当する約50平米(4000フィルム)のエマルション検出器を製造し、400 GeV陽子ビーム照射実験を実施した。解析スキームを構築し、パイロットランの解析を遂行してきた。2019年末までに最初の測定結果をまとめ、2021年からの本実験を推進していく。将来的にタウニュートリノ反応における新物理の効果(標準理論に対して10%程度)を探索することを目指している。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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