2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of theoretical analysis method for proton coupled electron transfer reaction
Project/Area Number |
17H06928
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀 優太 九州大学, 先導物質化学研究所, 学術研究員 (40806915)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | プロトン共役電子移動反応 / 透熱ポテンシャル / 量子ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
プロトンと電子がカップリングして起こるプロトン共役電子移動(PCET)反応は酵素反応の活性中心など様々な反応過程で起こる反応であり、その反応機構の解明は、タンパク質の機能発現機構の解明だけでなく、PCETが起こる一般的な化学反応機構の理解につながる。その解析は、実験的には困難であることから、理論計算による解析が必須となる。 今年度は分子間のプロトン移動反応に対して、透熱ポテンシャルの作成法の検討を行い、簡便なポテンシャルの構築法の提案を行うことができた。さらにPCET反応に顕著に現れると考えられる核の量子効果を取り入れた解析を行うために、流体力学に基づいた量子ダイナミクス計算法の定式化およびその実装を行った。ガウス型ポテンシャル障壁上での量子波束シミュレーションを行うことにより、粒子の移動を想定した実空間上での状態の可視化を行うことができた。さらにトンネリングに起因するポテンシャル障壁への侵入および反射現象を確認することができた。 実際に、スピンクロスオーバーを起こす鉄錯体を取り上げ、ポテンシャルエネルギーの理論計算から、プロトン移動と電荷移動が連動して起こることによりスピン転移現象が発現することが理論的に確かめることができた。また、イリジウムオキソ錯体による水の酸化過程において電極が関与したPCET反応が進行することにより水の活性化が効率的に起こることが理論計算により明らかとなった。 これらの理論結果はPCET反応の詳細な理解のための足掛かりになる。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(14 results)