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2017 Fiscal Year Annual Research Report

網羅的遺伝子スクリーニング法を用いた食品因子デルフィニジンの生体調節作用機構解明

Research Project

Project/Area Number 17H06936
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

村田 希  愛媛大学, 学術支援センター, 助教 (50808110)

Project Period (FY) 2017-08-25 – 2019-03-31
Keywords食品 / 遺伝子
Outline of Annual Research Achievements

近年、食品の生体調節機能が注目され、特定保健用食品や機能性表示食品など機能性食品の開発が盛んに行われている。機能性食品成分は医薬品と同様、生体内標的分子へ作用することで影響を与える生体シグナル因子として考えることができることから、機能性食品の効果を安全かつ適切に利用するためには、機能性食品成分のシグナル伝達機構を解明する必要がある。本研究では食品成分の1 つであるデルフィニジンが生体内において作用する標的因子を網羅的遺伝子スクリーニング法(Genetic Suppressor Elements(GSE)法)により同定するとともに、デルフィニジンの生体調節作用機構を明らかにすることを目的とした。
レトロウイルスを用いて短い遺伝子断片(GSE) を導入した細胞に対し、デルフィニジンによるセレクションを行った。デルフィニジンの作用が発揮されない細胞を回収し、導入されているGSE のシーケンス結果からデルフィニジンの標的分子候補を7種類同定した。標的分子候補をRNA 干渉法により発現抑制し、デルフィニジンの生理作用を担う遺伝子を明らかにした。具体的には、デルフィニジンによる細胞増殖抑制作用が標的分子候補(遺伝子X)の発現抑制により消失した。また、筋萎縮関連遺伝子発現抑制作用も同様に標的分子候補(遺伝子X)の発現抑制により消失した。
本結果は遺伝子Xがデルフィニジンの生理作用に関与することを示唆している。本研究の成果は食品成分の作用メカニズム解明並びにメカニズムを解明する手法の確立に寄与することが期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、網羅的遺伝子スクリーニング法(Genetic Suppressor Elements(GSE)法)により食品因子の生体調節作用機構について明らかにすることを目的とした。GSEを導入した細胞を構築後、デルフィニジンによる処理を行った。通常、デルフィニジンの作用により表現系に影響が見られるが、GSE の機能阻害によりデルフィニジンの効果が発現しなかった細胞、つまりデルフィニジンの作用を担う分子がGSE の導入により阻害されている細胞を回収した。回収した細胞に導入されているGSEをPCR法ならびにDNAシーケンスを用いて解析した結果、7種類の遺伝子をデルフィニジンの作用を担う候補遺伝子として同定した。さらに、各遺伝子をRNA 干渉法により発現抑制し、デルフィニジンの機能に関与しているか検討した。デルフィニジンの機能を担う有力候補として、遺伝子Xに着目した検討を進めており、研究は概ね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

今後は、デルフィニジンの作用を担う候補遺伝子(遺伝子X)の機能を検証する予定である。
標的分子と生体調節作用の関与について検討:標的分子候補がどのような機能を担っているのか、引き続きRNA 干渉法により発現抑制し検討する。また、過剰発現細胞を構築し、発現量を増加させた際の影響も検討する。
標的分子を介して制御する遺伝子やタンパク質の解析:デルフィニジンが標的分子を介してどのような遺伝子やシグナル伝達経路を動かすか検討するため、DNAマイクロアレイや次世代シーケンサーを利用した解析を行う。

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Published: 2018-12-17  

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