2017 Fiscal Year Annual Research Report
パスウェイバーデン解析に基づく多発性硬化症リスク遺伝子の疾患多様性への寄与の解明
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17H06938
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
磯部 紀子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60452752)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 遺伝子解析 / 遺伝子型表現型関連解析 / パスウェイ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)における疾患感受性遺伝子の多様性と疾患表現型の多様性と関連性を明らかにすることを目的とした。これまでの研究によりMSの病態への寄与が示唆され、本研究で注目する遺伝子機能分類(gene ontology)12個を決定し、MS患者それぞれに対し、各gene ontologyについてどの程度遺伝的負荷を有しているかを示す、MSパスウェイバーデン(MSPB)を算出した。どのような役割を持つ遺伝子群が発症年齢や重症度といった各疾患表現型の多様性に寄与しているのかを解明するため、各MSPBと疾患表現型との相関について統計学的に解析した。 米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)における630例のMS症例コホートデータと、最新の国際MS遺伝子解析コンソーシアムの研究において同定されたMSリスク関連一塩基多型(SNP)200個を基に、12個のMSPBを算出した。それぞれについて、MSPBの凝集度と臨床的パラメータ―やMRI画像における各解剖学的容積との関連を解析した。結果、加齢に関わるMSPBが高い程、MSの発症が早く、NFkBシグナリングに関わるMSPBが高い程、頭部MRIにおける皮質下灰白質容積が小さいことが、統計学的有意差を持って示された。これにより、加齢に関わる遺伝的要因が発症時期に寄与し、NFkBシグナリングの遺伝的負荷量が大脳の特定の領域における萎縮度に関与していることが示唆された。 得られた成果について、国内外の学会で発表を行った。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)