2017 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平苔癬の病態進展における上皮-樹状細胞ネットワーク機構の解明
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17H06950
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 昌樹 九州大学, 大学病院, 医員 (60805282)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 扁平苔癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、OLP病変局所における発症・病態進展に関わる分子を同定・解析することにより、OLPの病態形成における上皮-樹状細胞ネットワーク機構を解明することで、最終的には新規標的分子治療の確立を目指す。 OLPの病巣の成立には遅延型アレルギーに類似した細胞性免疫反応が関与しており,上皮内のmDCが未知の抗原を認識してT細胞を感作し,IL-12、INF-γ、INF-αを始めとする様々なサイトカインおよびケモカインの産生が誘導、これら液性因子により上皮下への著明なCD4およびCD8陽性T細胞の浸潤が惹起されて,上皮基底細胞,傍基底細胞等に対する細胞障害と変性を生じることが本疾患の病態発生に重要であると考えられている。よって、LCMによって選択的に採取したOLP上皮を用いてDNAマイクロアレイを行い、上皮由来の疾患関連因子(サイトカイン・ケモカイン)について網羅的解析を行うこととした。 当該年度ではOLPの病態形成における上皮-樹状細胞ネットワーク機構の関連分子およびケモカインに関して、上皮由来の疾患関連候補因子(EGFR、IL-6など)を抽出したが、現在バリデーションのためのサンプル採集を行い、その発現や局在の定量化を行っている。また、同一OLPサンプルにおける病変上皮および正常粘膜部上皮、過角化症上皮において同様に検査を行い、その共通点や類似点について比較検討を行う。また、粘膜上皮だけでなく粘膜下組織についても比較対象疾患に同じ炎症性疾患である非特異性潰瘍を加えて同様の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の予定通りに進捗しているが、研究のバリデーションや候補分子の発現や局在の定量化を行う上で多量のサンプルを必要とするため、サンプル採集に苦慮することがありやや遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、下記の順序で研究を行う。 1) 候補分子のバリデーション(疾患関連分子の同定)(real-time PCR法、免疫組織化学染色法、蛍光二重免疫染色、フローサイトメトリー) DNAマイクロアレイにより抽出された関連分子およびサイトカインに関して、上記各種検査法を用い、その発現や局在を検索し定量化を行う。また、同一OLPサンプルにおける病変上皮および正常粘膜部上皮、過角化症上皮において同様に検査を行い、その共通点や類似点について比較検討を行う。また、粘膜上皮だけでなく粘膜下組織についても比較対象疾患に同じ炎症性疾患である非特異性潰瘍を加えて同様の検討を行う予定である。 2) 疾患関連分子(サイトカイン・ケモカイン)による樹状細胞の活性因子産生能の解析 前述の検討により、OLPに特徴的に関連する分子を見出すことができた際には、MACSにより病変局所から樹状細胞を抽出して、疾患関連分子による刺激実験を行い、上皮-樹状細胞ネットワーク機構を明らかにする。なお、病変組織からの免疫細胞の抽出については、すでに口腔扁平上皮癌組織から免疫細胞を抽出する手技を確立しており (Kubota K, et al. Sci Rep 2017)、口腔粘膜からの樹状細胞の抽出も可能である。
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Research Products
(1 results)