2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanosensitive ion channels in bone cells and bone formation
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17H06958
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西山 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 助手 (00802844)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | メカノセンサー / イオンチャネル / 骨形成 / 骨吸収 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨粗鬆症 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
無重力や寝たきりによって骨が減り脆くなることはよく知られている。適正な骨量の維持や獲得は常に求められている一方で骨減少のメカニズムは十分に解明されていない。高齢化社会の大きな課題の一つである骨減少性疾患の解決のためには、骨代謝のメカニズムを明らかにすることが重要である。 骨は常に力学的な負荷を受けており、負荷に応じてその形態を整えている。ゆえに、骨を構成する細胞には局所にかかる力学負荷を感知する能力があると考えられている。骨のみならず生体組織の種々の細胞において、力学負荷を感知するメカノセンシング、伝達するメカノトランスダクションの機構がその機能の発揮に重要であるとの知見が徐々に明らかとなっている。しかし、骨組織においてはその分子実体はいまだ不明である。 近年、力学刺激により活性化するメカノセンサーイオンチャネルタンパクが同定されている。本課題では骨の細胞における力感知の分子実体がメカノセンサーイオンチャネルと想定し、またこの分子の活性が骨代謝と密接な関係にあると仮説を立てた。 平成29年度は正常マウス骨組織におけるメカノセンサーイオンチャネルの発現を免疫組織化学染色を用い高精細顕微鏡にて観察を行った。骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞においてメカノセンサーイオンチャネルの発現を認め、発現様式と分布についての特徴が明らかとなった。さらに、細胞骨格や細胞外基質、細胞内小器官の発現様式との関連を調べたところ、骨形成能との関連を示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮説に基づいた結果が得られた。免疫組織化学に用いる抗体の選定や実験条件検討が済み、メカノセンサーイオンチャネルの形態学的な理解が深められた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス骨組織におけるメカノセンサーイオンチャネルと細胞外基質、細胞骨格、細胞内小器官、また細胞分化マーカーとの関連について調べることで、骨代謝調節との関連を調べていく。さらに、骨減少を来たす炎症性疾患モデル、負荷低減モデル動物を用いた実験系を確立しその解析にあたる。
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