2017 Fiscal Year Annual Research Report
An disability understanding education curriculum, the teaching materials and effect inspection tool development based on a point of view of the diversity
Project/Area Number |
17H06977
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
權 偕珍 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90806217)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | ダイバーシティ / 障害理解教育 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「ダイバーシティの観点に基づいた障害理解教育カリキュラム・教材と効果検証ツールの開発」を目的としている。29年度は、研究1、高等教育機関における障害理解教育やダイバーシテイ教育に関する先行研究や諸外国における先進事例の分析を行い、高等教育機関における障害理解教育やダイバーシテイ教育の現状と課題を明らかにすること(「文献分析による基礎調査」)と、研究2は、研究1を踏まえ、ダイバーシティ観点に基づいた障害理解教育カリキュラム及び教材開発の試案作成及び妥当性検証(「試案作成」)の研究を計画した。 研究1、文献分析による基礎調査では、日本、韓国、アメリカ合衆国、イギリスの高等教育機関における教員養成制度及びダイバーシティ観点に基づいた障害理解教育について整理し、動向の把握を行った。その結果、日本では、2017年からコアカリキュラムの 1 つとして「特別の支援を必要とする幼児・児童及び生徒に関する理解」が位置付けられている(文部科学省, 2017b)が、その内容やカリキュラムに関しての規定は明確には示されていない。そのため、今後カリキュラムや指導方法に関しての研究が必要になってくると同時に、そこに国籍や性別を含む多様性の観点を取り入れていく必要があることが明らかになった。加えて、カリキュラム及び教材開発に向けて、文献研究とウェブを用いての外国の先進事例調査を通じて情報収集を実施した。 研究2、試案作成については、研究1の内容より収集された情報を用いて、カリキュラムの要素として挙げられる領域をまとめることができた。 以上の成果より、ダイバーシテイ教育の視点から高等教育機関において行われている障害理解教育について再考するための基礎的な知見を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.文献分析による基礎調査では、高等教育機関における障害理解教育やダイバーシティ教育に関して、先行研究や諸外国における先進事例の分析を行い、高等教育機関における障害理解教育やダイバーシティ教育の現状と課題を明らかにし、日本の障害理解教育において、ダイバーシティ観点が必要であることが確認できた。よって、研究1は、当初の計画通り実施することができたと言える。 2.試案作成については、研究①に基づいて、試案作成に向けての構成要素を収集することができたが、試案の完成や内容的妥当性については、研究協力者2名が企業のプロジェクトに参加することが判明し、同様の知識を持つ新たな研究協力者を確保する必要があったため、当初の計画よりは遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究実績に踏まえ、平成30年度において次のように研究を推進する。 1.ダイバーシティの観点に基づいた障害理解教育カリキュラム及び教材開発(平成29年度研究の続き)をする。試案完成や内容的妥当性の検証を通してダイバーシティの観点に基づいた障害理解教育のカリキュラム及び教材を完成させる。 2.高等教育機関におけるダイバーシティの観点に基づいた障害理解教育カリキュラムの効果検証ツールを開発(試案)する。先行研究分析やフィールドワーク、カリキュラム要素の分析結果を踏まえた上で研究協力者から意見や助言を得て、効果検証ツール(試案)を作成する。 3.上記の研究結果を学会発表または論文発表を行う。
|