2017 Fiscal Year Annual Research Report
配偶者と死別した中等度から重度の認知症高齢者の喪の過程の解明
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17H06984
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
渡邊 章子 宮城大学, 看護学群(部), 講師 (20804058)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症看護 / 死別 / 高齢者 / エンド・オブ・ライフ / グリーフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
自宅または長期ケア施設で生活をする、認知症高齢者が配偶者を喪失する前後における、生活のありようとその変化を明らかにし、認知症高齢者の喪の過程への支援について検討することを目的にデータ収集を行った。 対象者のリクルートはインターネット情報サイト、および研究者のネットワークを活用して行った。日本看護協会ホームページ、日本老年看護学会ホームページ、認知症ケア学会ホームページ、在宅医療ネットワーク・全国在宅療養支援診療所連絡会ホームページを基に全国の長期ケア施設、病院などに所属する専門職に500件の依頼文書を送付した。回答率は42%、その内、インタビュー対象となり、研究協力の承諾を得られた者は3.2%という状況であった。調査対象地域は、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)12事例、首都圏以外の地域4事例であった。対象領域は、施設9件、在宅7件であった。インタビュー対象者は、専門職16名、家族7名合計23名であった。 現在まで得られたデータを質的内容分析した結果、専門職と家族の両者から得られたカテゴリーは、【認知症者の反応に合わせた対応】であった。専門職のみのカテゴリーは【家族との協力】【家族の意思を尊重した対応】などが抽出された。家族のみのカテゴリーは、【何度も説明する】【法事や墓参りなどに連れて行く】などのカテゴリーが抽出された。認知症高齢者の反応として、場所の相違による様相の相違、という修士論文で得られた結果と同様の知見が得られた。これは、自宅などの死別した配偶者を想起できる場所にいれば、配偶者のことを想起できるが、それ以外の場所では想起できないという結果であった。 今後、さらなるデータ分析を行い、配偶者を喪失した認知症高齢者への支援方法について検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リクルートの難渋はあるが、本研究課題は1年目の計画は調査依頼、調査はほぼ終了し、順調に進展している。また、予算やeffort率の遂行も計画通りであり、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はインタビュー対象者のさらなる獲得のためのリクルートを継続しながら、得られたデータの分析を行っていく。また、これまで得られたデータの一部に関しては2018年7月15-18日に開催される`2nd Innovations and State of the Art In Dementia Research'という学会において口頭発表を行う。さらには、千葉大学大学院博士後期課程の博士論文として成果をまとめ、1年以内に英文雑誌に投稿予定である(投稿予定雑誌は未定)。
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Research Products
(1 results)