2017 Fiscal Year Annual Research Report
自助グループに通う当事者が認識するギャンブル依存症の回復のプロセス
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17H06997
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
桐生 敏行 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60805331)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ギャンブル依存症 / 自助グループ / 回復 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国にはギャンブル依存症の疑いのある者は推計536万人にのぼるものの、ギャンブル依存症者に関する効果的な治療方法は確立されておらず、多くは適切な治療を受けていないのが現状である。ギャンブル依存症が社会問題になっている昨今、ギャンブル依存症者の予防、早期の治療、治療を継続するための支援は喫緊の課題である。ギャンブル依存症者の治療機関としては、医療機関、回復施設、自助グループ、一部の精神保健福祉センターがある。その中でも同じ問題を抱えた当事者同士が集まる自助グループでの治療が最も一般的である。 本研究の目的は、自助グループに通うギャンブル依存症から回復した当事者のインタビューを通じ、その回復過程を明らかにすることである。本研究に類似した先行研究は複数あるが、我が国では1事例を用いた事例研究となっている。本研究は分析手法として修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(Modified Grounded Theory Approach;以下、M-GTAとする)を用い、複数のギャンブル依存症の当事者からのインタビューを通じ、その回復過程を概念化する。 平成29年度は依存症治療に関連した学会に参加し、依存症に対する医療・看護の展望などの情報収集を行った。また、学会参加や施設への訪問を行い、施設長に対して本研究の目的・意義を説明し、研究対象者のへ紹介など研究協力の依頼を行った。また海外文献をレビューし、海外におけるギャンブル依存症の取り組みや治療についての知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自助グループ施設長に研究の目的・意義を説明し、対象施設・対象者の紹介を依頼し、研究協力の承認を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査承認後、インタビュー調査を実施予定である。インタビューを行いながら、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用い、複数のギャンブル依存症の回復過程を概念化する。分析した結果は、当事者に向けた予防、再発防止の情報提供、回復施設への支援のためのパンフレットを作製する。また医療機関・福祉施設にはギャンブル依存症の専門的な看護の構築のための資料作成・及び学会発表を通じた情報提供などを行う。
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