2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pharmacological study of intracellular signaling pathways involved in hepatic stellate cell reversion for treatment of NASH
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17H07000
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 桃生 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30804819)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 肝星細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満人口の増加に伴い、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の患者数が増加している。NASHの予後不良を決定づける因子は肝線維化であるが、いまだにその有効な予防・治療法はない。肝非実質細胞の一つである肝星細胞(HSC)は、肝障害時に活性化され、コラーゲンを産生・分泌する筋線維芽細胞様の形態を示す。そのため、活性型HSCは肝線維化の責任細胞と考えられている。現状、進行した肝線維化の治療は難しいとされるが、静止型HSCがコラーゲンなどの細胞外基質を分解するMMPを分泌することから、活性型HSCを静止型HSCへと脱活性化できれば、肝線維化も治療可能であると考えられる。 我々は、caffeine(CAF)により活性型HSCが静止型HSC様の形態を示すという大変興味深い結果を得た。活性型HSCは活性型の指標であるCOL1A1やα-SMAのタンパク質の発現がCAF(0.1~10 mM)の濃度依存的に減少し、静止型の指標であるMMP-9のタンパク質の発現と活性がCAFの濃度依存的に増加することを見出した。さらに、活性化により一度消失した静止型HSCに特異的な細胞内油滴が、CAF処置により回復することがOil-red-O染色により明らかとなった。以上のことから、caffeineにより活性型HSCは静止型HSCに脱活性化する可能性を示した。また、活性化抑制の際に認められたAkt1のリン酸化が低下することを示した。しかし、CAFによるHSC活性化抑制作用の際に認められたアデノシン受容体のサブタイプ非選択的阻害薬CGS-15943(1 μM)は、α-SMAの発現を有意に低下させたものの、COL1A1や MMP-9の発現、やAkt1のリン酸化には変化を及ぼさなかった。以上の結果より、CAFは活性型HSCを静止型HSCに脱活性化させること、またその作用の一部にはアデノシン受容体が関与する可能性が示された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)