2017 Fiscal Year Annual Research Report
行動制限最小化における多職種間の倫理調整プロセスモデルの作成
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17H07038
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
瀧 めぐみ 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80806026)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 行動制限最小化 / 倫理調整 / 多職種 / 精神科看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
行動制限最小化を適切に進めるためには、多職種間における互いの倫理的葛藤を認識し、解決策を導き出すための倫理調整が必要である。そこで、本研究では「行動制限最小化における多職種間の倫理調整プロセスモデル」の作成を目的として、以下の2つの研究目標を挙げた。目標1として、行動制限最小化に関わる多職種の倫理的葛藤とそれを感じる場面、その内容、それぞれの職種がとった対処方法・行動について明らかすることとし、目標2として、行動制限最小化において多職種間に生じやすい倫理的葛藤と、それらに対する解決策を導くための倫理調整プロセスモデルを作成することした。 平成29年度は、学会参加により、①身体拘束解除に向けての多施設での活動についての情報収集と、②行動制限最小化に関わる多職種の倫理的葛藤とそれを感じる場面、その内容、それぞれの職種がとった対処方法・行動について明らかにするための、研究計画書の作成および研究倫理審査の準備を行い、インタビューを開始した。①では、多くの病院で精神科リエゾンチームを初めとした、多職種での回診により適正化を図っていることがわかった。また、倫理調整として行っているという活動ではなかったが、身体拘束はやむを得ないという認識が強い病棟スタッフに対して、多職種それぞれの専門的な評価を統合して、身体拘束解除に向けた具体的な方策を提案している活動を行っているとの報告から、精神科リエゾンチームの構成員における多職種間だけでなく、精神科リエゾンチームと病棟スタッフとの倫理的葛藤や対処方法についても、その活動を行っている対象にはインタビューで確認する必要があることがわかった。②では、行動制限最小化に関わる多職種10名程度にインタビューを行うこととし、医師2名へのインタビュー調査を行い、分析を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
身内の介護および忌引により、研究協力施設への承諾を得るための連絡調整とインタビューの開始が大幅に遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、本研究の最終年度であるため、大幅に遅れているインタビュー調査は9月末までに終了することを目標とし、インタビュー調査を行いながら分析も同時に行うことで、データ分析の時間の短縮化に努める。12月末までには、目標2である倫理調整プロセスモデル案を作成し、3月末までには、臨床で倫理調整が必要な場面において、作成した倫理調整プロセスモデル案が実用可能かどうかについて、インタビューの協力者や精神看護学の教員、専門看護師などのグループで意見交換を行い、倫理調整プロセスモデルを洗練化することを目標として、研究を推し進める。
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