2017 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌/中皮腫に於けるPITX2を介したYAP経路によるレドックス制御の解明
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17H07050
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
重枝 弥 岩手医科大学, 医学部, 助教 (00802828)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | PITX2 / 肺がん / 悪性中皮腫 / KEAP / NRF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、左右非対称性の決定において左シグナリング経路決定に関与する bicoid 型ホメオボックス遺伝子 PITX2 が、レドック スマスター転写因子である NRF2 と協調して、Hippo-YAP経路とクロストークしている事が明らかとなった。本研究では、約半 数の症例で Hippo-YAP 経路の活性化が認められる中皮腫および肺癌に於いて、ROS (reactive oxygen species) 産生性抗がん 薬に対する薬剤抵抗性の形成に、KEAP1/NRF2-PITX2-YAP axis の異常がどのように関与しているか明らかにする事を目的とした。 方法は、Cosmicデータベースより網羅的解析の終了している非小細胞肺癌、悪性胸膜中皮腫細胞株に関し、Western blot、Real-time PCRを用いて関連分子の発現パネルの作成した。KEAP1/NRF2、Hippo-YAP経路の発現解析を行った。PITX2 遺伝子のプロモーター領域の解析も行も行った。cyclophosphamide/cisplatinなどのアルキル化剤、doxorubicin/daunorubicinなどのアントラサイクリ ン抗腫瘍抗生物質、mitomycinなどの抗腫瘍抗生物質、etoposide、teniposideなどのpodophyllum誘導体における感受 性を比較し、上記パネルでのそれぞれの発現状態と比較した。標的遺伝子を決定した後に、遺伝子工学的手法により抗がん薬剤感受性が変化するかを検証した。 PITX2遺伝子の発現低下を認めた細胞株では、抗がん薬への感受性亢進が確認された。 次年度以降は、上記のPITX2の発現低下と抗がん薬への感受性亢進が確認されたので、関連分子の動態についての解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は、ほぼ仮説どおりに結果が出ている。PITX2とKEAP1/NRF2 axisの関連は特定の細胞株では明らかな協調を示すが、数株で関連しないものが存在する。逆にこれらの理由を解明することが次の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、p21の発現レベルとPITX2の相互作用ならびに細胞死との関連を明らかにして、論文を作成する。また、両分子(PTX2とKEAP/NRF2 axis)の連関のない細胞株に関しては、他の別経路の異常を解析するする必要があるが、現段階ではその仮説を立脚することから始める。手段としては、バイオインフォマティクス手法を用いてgene enrichment analysis等の手法を考えている。
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Research Products
(1 results)